診断後の生活はどう変わる?若年性アルツハイマー型認知症の家族が知っておきたい「支援の形」

診断後の生活はどう変わる?若年性アルツハイマー型認知症の家族が知っておきたい「支援の形」

診断を受けた後も、適切な支援を活用しながら充実した生活を送ることは可能です。介護保険制度や障害者手帳、各種支援制度を利用することで、本人と家族の負担を軽減できます。利用できる社会資源と、生活の質を保つための工夫について具体的に紹介します。

田頭 秀悟

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

若年性アルツハイマー型認知症とともに生きる

診断を受けた後も、適切な支援を受けながら充実した生活を送ることは可能です。本人と家族が前向きに生きるための情報を提供します。

社会資源と支援制度の活用

若年性アルツハイマー型認知症の方が利用できる制度は複数あります。介護保険制度は、原則65歳以上が対象ですが、若年性認知症の場合は40歳以上であれば特定疾病として認定され、介護サービスを利用できます。要介護認定を受けることで、デイサービス、訪問介護、福祉用具貸与などのサービスが受けられます。
障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の取得も検討すべき選択肢です。手帳を取得することで、医療費助成、税金の控除、公共交通機関の割引などの支援を受けられます。また、障害年金の申請により、経済的支援を得ることも可能です。
若年性認知症支援コーディネーターは、各都道府県に配置されており、本人や家族の相談に応じ、適切な支援やサービスにつなぐ役割を担っています。就労継続支援、経済的問題、子どもの教育費など、若年性ならではの課題について相談できます。
地域包括支援センターや認知症疾患医療センターでも、相談や情報提供を受けられます。これらの機関を活用することで、孤立せずに必要な支援を得られる環境を整えることができます。

本人と家族の生活の質を保つために

診断後も、本人の意思や希望を尊重した生活を送ることが大切です。できることに焦点を当て、得意なことや好きなことを続けられるよう支援します。早期であれば、簡単な仕事や役割を持つことで、自尊心を保ち生きがいを感じられます。
コミュニケーションの工夫も重要です。ゆっくりと明瞭に話す、短い文章で伝える、視覚的な情報を併用するなどの配慮により、理解しやすくなります。本人の感情を受け止め、否定せず共感的に接することで、不安や混乱を軽減できます。
家族の負担軽減も見過ごせません。一人で抱え込まず、介護サービスを積極的に利用し、休息の時間を確保することが重要です。家族会に参加することで、同じ経験を持つ方々と情報交換や感情の共有ができます。
将来に向けた準備も早めに行うことが推奨されます。任意後見制度や成年後見制度について情報を集め、本人の意思決定能力があるうちに、財産管理や医療・介護に関する希望を記録しておくことが望ましいでしょう。エンディングノートの作成や、家族との話し合いを通じて、本人の希望に沿った人生を送るための準備を進めることができます。

まとめ

若年性アルツハイマー型認知症は、65歳未満で発症する進行性の神経変性疾患です。初期症状には記憶障害、見当識障害、判断力の低下などがあり、日常生活や仕事に支障をきたします。原因は脳内でのアミロイドβとタウタンパク質の蓄積であり、遺伝的要因や生活習慣病が危険因子となります。
診断には認知機能検査と画像検査を組み合わせた総合的評価が必要で、治療は薬物療法と非薬物療法を併用します。薬物療法では、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬により症状の進行を遅らせることが期待されます。非薬物療法では、認知リハビリテーションや運動療法、環境調整などにより生活の質の維持を目指します。
早期発見と適切な治療、社会資源の活用により、本人と家族の生活の質を維持することが可能です。介護保険サービス、障害者手帳、障害年金などの制度を活用し、若年性認知症支援コーディネーターや地域包括支援センターなどの相談窓口を利用することで、必要な支援を受けられます。気になる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。

参考文献

日本認知症学会「認知症診療の手引き」

東京都福祉保健局「若年性認知症ハンドブック」

配信元: Medical DOC

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