躁病の治療
躁病の治療は、主に薬物療法が中心となります。薬物療法だけでは十分な効果が得られない場合、修正型電気けいれん療法が検討されます。
治療は、一人ひとりの状態に合わせて、専門医と相談しながら個別の計画を立て、症状の安定と再発予防を目指して進められます。
薬物療法
薬物療法は、躁病の治療の中心となるものです。日本うつ病学会診療ガイドライン(2023)では、第一選択として、気分安定薬と抗精神病薬との併用療法を推奨しています。病状や経過に応じて、気分安定薬や抗精神病薬が単剤で使用されることもあります。
気分安定薬は、躁状態とうつ状態の両方を安定させる効果があります。代表的な気分安定薬としては、炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウムなどがあります。これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、気分の波を穏やかにする働きがあります。
抗精神病薬は、興奮や妄想、幻覚などの症状を抑えるために使用します。躁状態が激しい場合や、気分安定薬の効果が不十分な場合に、抗精神病薬が追加されることがあります。
薬物療法は症状の改善だけでなく、再発予防にも重要です。自己判断で薬を中断せず、医師に相談しながら治療を続ける必要があります。
修正型電気けいれん療法
修正型電気けいれん療法は、薬物療法で十分な効果が得られない場合や、重度の躁状態、自殺の危険性が高い場合などに検討される治療法です。
電気痙攣療法(ECT)は、脳に電気刺激を与えて痙攣発作を誘発することで症状を改善する方法です。けいれんによって、脳内の神経伝達物質のバランスが変化し、症状の改善につながると考えられています。現在では、ECTに麻酔や筋弛緩剤を使用した、修正型電気痙攣療法(m-ECT)が主流であり、全身麻酔下で治療が行われるため、患者の負担が軽減され、痛みなどの苦痛を感じることは少ないです。
修正型電気けいれん療法は、専門的な知識と技術が必要な治療法です。治療の適応や方法、副作用などについて、医師から十分な説明を受け、納得したうえで治療を受けることが大切です。
躁病になりやすい人・予防の方法
躁病は、誰でも発症する可能性があります。しかし、家族に双極性障害の方がいる人、ストレスを抱えやすい性格の人、環境の変化に弱い人などの特徴がある人は、特に躁病になりやすいと言われています。
躁病を予防するためには、十分な睡眠や適度な運動をこころがけ、規則正しい生活を送り、ストレスを溜め込まないことが大切です。
もし、ご自身や周囲の方が躁病かもしれないと感じたら、ためらわずに専門医に相談してください。早期発見と早期治療が、症状の悪化を防ぎ、回復につながります。
関連する病気
双極性障害うつ病参考文献
双極性障害(躁うつ病)こころの情報サイト|国立精神・神経医療研究センター
日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会

