胃がんを早期発見するために…
編集部
早期発見のためにできることはありますか?
池宮城先生
最も有効なのは、定期的な胃内視鏡検査(胃カメラ)です。バリウム検査でも異常を見つけることはできますが、内視鏡検査は小さな病変も直接確認できるため、検査の精度が高くなります。また、その場で疑わしい組織を採取し、速やかに生検(組織検査)へ回すことも可能です。
編集部
検査はどのくらいの頻度で受ければよいですか?
池宮城先生
胃がん検診は一般的に、50歳以上で2年に1回の受診が推奨されています。ただし、ピロリ菌に感染したことがある、家族に胃がん患者がいるという場合は、1年に1回の検査をおすすめします。
編集部
ピロリ菌の検査や除菌は、どのようにおこなうのでしょうか?
池宮城先生
血液検査、尿・便検査、呼気検査などで感染を確認し、陽性であれば除菌治療をおこないます。陽性だった場合には、2種類の抗菌薬と胃酸を抑える薬を1日2回、7日間服用。治療後は、本当にピロリ菌を除菌できたか再検査する必要があります。
編集部
ピロリ菌を除菌すると、胃がんのリスクが下がるのですか?
池宮城先生
はい、近年の研究により、20~30代までに除菌すれば、ほぼ100%胃がんが抑制されるといわれています。中年以降でも、発がんリスクを一定の割合で下げることができるため、除菌が推奨されています。
編集部
胃がんを予防するためには、何が大切なのでしょうか?
池宮城先生
一番重要なのは、ピロリ菌感染の有無をチェックすることです。ただし、現在おこなわれている健康診断や人間ドックでは、ピロリ菌検査だけを受けることができません。ピロリ菌感染の有無を調べるためにも、積極的にオプション検査を追加することをおすすめします。感染がわかれば胃カメラを受けて、除菌薬を1週間内服するようにしましょう。
編集部
ほかに気をつけることはありますか?
池宮城先生
塩分の多い食品や加工肉を減らし、喫煙や飲酒を控え、野菜・果物を積極的に取ることが大切です。過度なストレス、不規則な生活は胃への負担になります。生活習慣の改善は、最も身近な予防策です。この機会に、改めて自分の生活を見直してみましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
池宮城先生
胃がんは、ほかのがん以上に早期発見が重要です。大腸がんは手術後も生活の質を保ちやすい一方、胃がんは進行すると胃の大部分を切除することになり、食事量や体力の低下が起こるため、生活の質を保ちにくくなります。また、胃を切除すると健康な人に比べて寿命が短くなることも指摘されています。さらに、ピロリ菌が陰性でも「胃底腺型胃がん」など、特殊なタイプのがんが発生することがあります。家族に胃がんを発症した人がいる場合や、食欲不振・胃もたれなどの気になる症状がある場合は、早めに胃カメラを受けるようにしましょう。麻酔を併用すれば負担も少なく、苦しさも軽減されるので、ぜひ積極的に受診してほしいと思います。
編集部まとめ
「胃がんを早期に発見できるかどうか」で、その後の人生が大きく変わります。ピロリ菌検査や胃カメラは、麻酔を使えば負担も少なく、ほとんど苦しくありません。自覚症状がなくても、定期的な検査で自身の健康を守りましょう。

