肩をもんでも治らないときの対処法
編集部
肩こりがひどいとき、まず何をすればいいですか?
丸山先生
一般的な肩こりは、もめば楽になる程度の軽いものです。しかし、「なかなか緩和しない」「痛みが続く」「重だるい感じが抜けない」というときは、“普通の肩こり”ではないかもしれません。背景に病気が隠れていることもあります。その場合には、念のため整形外科と内科を受診しましょう。場合によっては、骨や内臓の病気が見つかることもあります。ひどい肩こりは、体からのアラートかもしれません。肩だけではなく全身の状態に注意を向けて、まずは早めに医療機関を受診しましょう。
編集部
医療機関を受診した方がいいのですね。
丸山先生
はい。肩こりがひどい場合には、その肩こりを引き起こしている原因を追求することが大切です。まずは病気が隠れていないかを確認するため、医療機関の受診をおすすめします。そして、なんらかの病気や異常が見つかれば、医療機関で治療を開始しましょう。
編集部
病気や異常が見つからなかった場合は?
丸山先生
一見、肩こりとは関係がなさそうな、体幹部の機能低下や自律神経の乱れ、ストレスなどが関係しているかもしれません。体幹に問題がありそうな場合には、理学療法士やトレーナー、柔道整復師、鍼灸師などに、体の機能をチェックしてもらいましょう。また、自律神経やホルモンバランスも乱れが疑われる場合、女性は産婦人科医、男性は泌尿器科医に相談してみましょう。ストレスが大きい場合には、心理カウンセラーに相談してみましょう。
編集部
鍼などは効果がありますか?
丸山先生
こりをほぐす、つまり対症療法としては一定の効果があると思いますが、原因を改善しないと同じことの繰り返しになってしまいます。「鍼などで楽にはなるけれど、また元に戻ってしまう」という際は、一度立ち止まって原因に目を向けてみましょう。本当の改善には、対症療法と原因療法の両方をバランスよく取り入れることが大切です。症状だけでなく、背景にある肩以外の部分の要因も見極めるのが、改善の鍵となります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
丸山先生
もんでも治らない肩こりに悩んでいる場合には、まず原因を知ることが大切です。そのうえで適切な対症療法と原因療法をおこなえば、根本的な改善につながります。「ただの肩こりだから」と軽く考えず、骨や内臓の病気が隠れている可能性もあるため、まずは整形外科や内科での診察を受けることをおすすめします。
編集部まとめ
肩こりはよくある症状ですが、放置すると思わぬ病気を見逃したり、日常生活の質(QOL)が下がる原因になったりすることもあります。違和感が続く場合は、早めに適切な医療機関で相談しましょう。

