もしかして虐待を受けている? 「被虐待児症候群」が疑われる子どもの行動や外見の変化を専門医が解説

もしかして虐待を受けている? 「被虐待児症候群」が疑われる子どもの行動や外見の変化を専門医が解説

被虐待児症候群の前兆や初期症状について

被虐待児症候群の症状は、体に現れる症状と心に現れる症状に分けられます。

身体的な症状

身体的虐待の症状としては、打撲や火傷、骨折、頭蓋内出血、栄養不足などが見られます。
外傷は、体幹や耳、首、性器まわり、おしりなど自然外傷とは考えにくい場所に見られることが多いです。

タバコの痕や、バット・コードでできたと思われる特定の形のあざ、噛まれたようなあと、手の形がくっきりと残るようなあざなど、パターン痕と呼ばれる特徴的な傷が見られる場合もあります。

これらの傷は繰り返し現れること、古い傷と新しい傷が混ざっていることが特徴です。
栄養不足の場合、体重が増えなかったり、身長の伸びが止まったりなど、成長に影響が生じます。

お風呂に入れてもらえないために、体に垢がたまる、臭いが強い、服が汚れているなどの清潔さが保たれていない様子も見られる場合があります。

不適切な行動や心理的な症状

不適切な行動や心理的な症状として、多動や衝動性、愛着行動の不自然さ、過敏性、過食や異食、習癖行動、非行が現れます。

落ち着きなく室内を動き回ったり、感情をコントロールできずに暴言を吐いたり、暴力をふるったりすることがあります。
初対面の人に対してやたらと体をくっつけてきたり、反対に触られることをひどく嫌がったりするなど、人との関わり方に問題が出ることもあります。

また、大きな音や声に過度におびえる様子が見られたり、食べ物をむさぼるように食べたり、食に対して異常な執着を認めたりします。
チック(まばたきや体の一部が無意識に動く状態)や爪を噛むクセが出たり、万引きなどの非行に走ったりすることもあります。

被虐待児症候群の検査・診断

被虐待児症候群の診断には、虐待を受けた事実を証明すること、児童の症状が虐待を受けたことによる症状であるを確認する目的で、問診や身体診察、検体検査、画像検査がおこなわれます。

まず、保護者に対して問診をおこないます。
子どもがけがをした状況などを聞き取り、けがの状態や場所が保護者の説明と一致するかを慎重に確認します。
子どもが話せる年齢であれば、保護者が同席していない状況で、子ども自身に話を聞くこともあります。

身体診察では、子どもの身長や体重を測り、全身の皮膚にあざや火傷のあとがないかを丁寧に見ていきます。
子どもの精神状態や発達の遅れ、眼底出血などの有無も確認します。

検体検査では、血液検査のほかに薬物検査、性感染症の検査などをおこないます。
薬物検査は、子どもが意識障害やけいれんを起こしている場合に、薬物が原因で生じていないか確かめるためにおこないます。
また、性虐待が疑われる思春期前後の子どもに対しては、淋菌やクラミジアなどの性感染症の検査がおこなわれることもあります。

身体的虐待の可能性がある場合は、画像検査もおこないます。
単純X線検査やCT検査を用いて、骨折や出血などの有無を調べます。
外傷や腹部膨満などから腹部臓器損傷を疑う場合は、超音波検査をおこなうこともあります。

これらの結果を総合的に判断して、子どもが本当に虐待を受けているのか、慎重に診断していきます。

なお、被虐待児の診療は医師一人で対応するのではなく、関係各科の医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど多職種で対応することが望ましいため、可能ならあらかじめ院内に養育支援チームや児童虐待防止委員会等を設置しておき、定期的に職員研修を実施します。児童虐待を疑った場合には、児童福祉法第 25 条により、担当行政機関への通告の義務があります。

配信元: Medical DOC

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