被虐待児症候群の治療
被虐待児症候群の治療は、体のけがや病気を治す「身体的な治療」と、主に行政機関による生活環境への介入による虐待の停止、さらに心の傷を癒す心の傷を癒す「心理的なケア」をおこないます。
まず、けがや栄養不良などの身体的な症状がある場合には、それぞれの症状に応じた適切な医療処置をおこないます。
具体的には、骨折があればギプスで固定し、火傷があれば塗り薬などで治療します。
外傷の程度によっては、入院して治療をおこなうこともあります。
心理的な治療としては、カウンセリングや心理療法が中心となります。
虐待を受けた子どもは、不安定な気持ちや人との関係がうまく築けないなど、心に深い傷を負っていることがあります。
心理士や精神科医などの専門家が、子どもの問題行動や情緒不安定な状態の改善に向けサポートしていきます。
これらのサポートは通常は、児童相談所などの行政機関との協働や助言・指導のもとでおこなわれ、家庭に戻ることが難しい場合は一時保護をする場合があり、体調と準備が整うまでの間、保護者との隔離の目的で入院が利用されることもあります。
被虐待児症候群になりやすい人・予防の方法
児童虐待自体は子どもの疾患ではなく、虐待をおこなう養育者の問題行動なので、被虐待児症候群になりやすい子どもというわけではありませんが、乳児、未熟児、障害児などは虐待を受けるリスクが上がります。
何らかの要因で育てにくいと感じられる子どもも、保護者が育児にストレスを感じやすく、虐待につながるリスクが高いと考えられています。
被虐待児症候群を防ぐためには、保護者への支援が大切です。
育児に悩んだときに相談できる相手を作ることや、地域の子育て支援サービス(ショートステイ、一時預かり、子育て支援センター)を活用することで、保護者の孤立化を防げます。
また、周囲の大人が子どもや保護者の様子から虐待を疑った場合には、ためらわずに児童相談所や専門機関に相談することも重要です。
関連する病気
乳幼児揺さぶられ症候群
頭蓋内出血
マルトリートメント症候群
参考文献
公益社団法人 日本小児科学会子ども虐待の手引き改訂第3版
こども家庭庁支援局虐待防止対策課子ども虐待対応の手引き(令和6年4月改訂版)
有吉孝一ほか:被虐待児症候群7例の検討. 日本臨床救急医学会雑誌, 3(3), 357-362, 2000

