卵巣がんを発症するとおりものにどのような特徴が現れる?メディカルドック監修医が卵巣がん以外でおりものに変化が起こる病気などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「卵巣がん」を発症すると「おりもの」にどのような特徴が現れる?臭いや色の特徴も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
秋谷 進(東京西徳洲会病院小児医療センター)
1999年、金沢医科大学卒業。金沢医科大学研修医を経て2001年国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)小児神経科、2004年6月獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)小児科、2016年児玉中央クリニック児童精神科、三愛会総合病院小児科を経て、2020年5月から現職(東京西徳洲会病院小児医療センター)。専門は小児神経学、児童精神科学。
「卵巣がん」とは?
卵巣がんは、卵巣に発生する悪性腫瘍の総称です。日本では婦人科がんの中でも死亡率が高いとされ、特に早期発見が難しいことが課題とされています。
進行すると、腹部周りのサイズが大きくなる、お腹にしこりをふれる、食欲がなくなるなどの症状が現れることがあります。しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、健診や婦人科受診の機会が少ないと見逃されやすい病気です。
近年は、卵巣がんのリスク要因として、家族歴、遺伝子変異(BRCA1/2)、未経産、排卵回数の多さなどが知られています。
今回の記事では、卵巣がんを発症した場合に、おりものにどのような変化が現れるのかについて解説します。
卵巣がん以外でおりものに変化が生じる原因
おりものに変化が現れる原因としては、卵巣がんだけでなく、炎症や感染、ホルモンの変動などさまざまな要因があります。以下に代表的なものを紹介します。
細菌性腟炎
細菌性腟炎は、腟内の常在菌であるデーデルライン桿菌が減少し、代わりに嫌気性菌が増えることで発症します。
おりものは灰色がかった薄い色で、魚が腐ったような独特の臭いを伴うのが特徴です。かゆみや強い痛みは少ないものの、不快感や性交痛を伴うことがあります。抗菌薬による治療が必要になる場合が多いため、症状が続く際は婦人科を受診することが望ましいです。
放置すると骨盤内感染に進展するリスクもあるため、早めの受診が推奨されます。
トリコモナス腟炎
トリコモナス原虫という寄生虫の感染によって起こります。性交渉でうつる性感染症の一つで、鮮やかな黄緑色のおりものが増え、泡立つような性状や強い悪臭を示すのが特徴です。30〜40代に多く、外陰部のかゆみや灼熱感も伴います。
診断には顕微鏡検査や培養検査が行われ、抗原虫薬による治療が基本です。そのほか、クラミジアや淋菌感染などが原因になることもあります。
放置すると慢性化し、不妊の原因となる可能性もあるため、早期の治療が重要です。配偶者やパートナーも同時に治療を受けることが推奨されます。
月経前、妊娠中などの生理的な変化
必ずしも病気によらず、ホルモンバランスの変化でおりものが増えたり、性状が変わったりすることもあります。
排卵期には透明で粘りのあるおりものが増え、精子が子宮に到達しやすくなるよう調整されています。妊娠中もエストロゲンの増加によりおりものが増えるのが一般的です。これらは生理的な現象であり、臭いや色に異常がなければ問題ありません。ただし、血が混ざる、悪臭が続く、かゆみを伴う場合は感染やがんの可能性も否定できないため、婦人科で確認することが安心です。

