ただの疲れ目ではない? 視力が落ちる前に確認したい「頚動脈海綿静脈洞瘻」の初期症状とは【医師監修】

ただの疲れ目ではない? 視力が落ちる前に確認したい「頚動脈海綿静脈洞瘻」の初期症状とは【医師監修】

勝木 将人

監修医師:
勝木 将人(医師)

2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

頚動脈海綿静脈洞瘻の概要

頚動脈海綿静脈洞瘻とは、脳の中に位置する海面静脈洞と、内頚動脈や外頚動脈の間に異常な血流路(動静脈瘻)が発生する疾患です。

頭部(頭蓋内)には複数の血管が存在しています。このうち、頚動脈(内頚動脈と外頚動脈の総称)には動脈血、海面静脈洞には静脈血が流れています。

本来、動脈血と静脈血は混ざり合うことはありません。しかし、何らかの原因によって頚動脈が破れ、海面静脈洞に流れて穴が開くことで動脈血と静脈血が交わり、さまざまな症状が見られる場合があります。

典型的な症状としては、激しい頭痛や耳鳴り、眼球の突出などが挙げられます。しかし、症状は一様ではなく、発症者によっては多彩な症状を呈し、診断が困難なケースもあります。

直接的な原因としては頭部の怪我が最も多く、他に腫瘍や血栓、感染症、頭部の手術などが挙げられます。また、加齢に伴う血管の脆弱化や喫煙習慣、高血圧による血管への負担などが発症の要因になることもあります。

頚動脈海綿静脈洞瘻は、発症後早期に治療をおこなえば比較的経過の良好な疾患であるといわれています。しかし、治療が遅れると長期的な視力障害や眼球の運動障害などの後遺症を残す可能性があるため、注意が必要です。

発症を認める場合には、動静脈瘻を塞ぐための外科的治療や症状を和らげるための薬物療法がおこなわれます。

頚動脈海綿静脈洞瘻の原因

頚動脈海綿静脈洞瘻の原因には、加齢や高血圧、喫煙習慣などによって慢性的に血管が障害されて発症するケースと、外傷によって血管が損傷を受けて発症するケースがあります。

加齢に伴って血管が劣化したり、動脈硬化、高血圧、喫煙習慣、過度の飲酒、不規則な生活習慣などによって血管に負担がかかったりすると、頚動脈が脆弱になり、破れてしまうことがあります。

また、交通事故やスポーツによる怪我、転落事故などによって頭部に物理的な衝撃が加わる場合でも、頚動脈海綿静脈洞瘻を発症するケースがあります。

他にも「多発性嚢胞腎」や「マルファン症候群」「エーラス・ランダス症候群」などの遺伝性疾患も血管の組織が脆弱化しやすく、頚動脈海綿静脈洞瘻を引き起こすことがあります。

このほか、はっきりとした原因なく発症するケースもあります。

配信元: Medical DOC

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