
監修医師:
勝木 将人(医師)
2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.
髄芽腫の概要
髄芽腫は主に小脳に発生する悪性の脳腫瘍です。とくに小児の脳腫瘍の中では発生頻度が高く、小児脳腫瘍全体の約20%を占めており、年間100,000人に対し3.5人の割合で発生すると報告されています。主に幼い子どもに多くみられ、なかでも4歳頃に発症のピークを迎えます。(出典:小児慢性特定疾病情報センター「髄芽腫」)
小脳の役割は身体のバランスや協調性運動(複数の部位を動かして滑らかな動作を生み出す能力のこと)をコントロールすることです。そのため小脳に髄芽腫が発生すると、バランスを保つことが難しくなったり協調性運動に障害が起きたりします。
また、腫瘍が大きくなると脳脊髄液(のうせきずいえき)の流れを妨げ、頭蓋内の圧力が亢進して「頭蓋内圧亢進症状」を引き起こす可能性があります。
髄芽腫の主な治療は外科的手術や化学療法、放射線療法です。髄芽腫は診断時の年齢や播種の有無(さまざまな場所へ広がること)などによってグループ分けされており、各グループに適した治療をおこなう必要があるため正確な診断が求められます。

髄芽腫の原因
髄芽腫の原因は現在のところ解明されていませんが、髄芽腫の発生に関わる可能性のある要素がいくつか明らかになってきています。
一部の患者では、ゴーリン症候群やターコット症候群などの遺伝性疾患を持つ場合、髄芽腫を発症するリスクがあることが知られています。
ただし、偶発的な遺伝子変異などが複雑に絡み合って発症する可能性も推測されているため、特定の環境要因や生活習慣との明確な関連性は、現時点では見つけられていません。

