「ばんそうこうの呼び方マップ」パワーアップの理由、実は“アレ”もローカルな呼び名だった?

「ばんそうこうの呼び方マップ」パワーアップの理由、実は“アレ”もローカルな呼び名だった?

キズができたときに貼るアレを、あなたは何と呼んでいるだろうか。普段は気づかずに使っている言葉は、実は他地域では通じない方言かもしれない。

2026年新版が公開された「ばんそうこうの呼び方マップ」
2026年新版が公開された「ばんそうこうの呼び方マップ」

一般名称である「ばんそうこう」のほか、「バンドエイド」「サビオ」「リバテープ」など、全国各地にさまざまな呼び名が存在する。それをひと目でわかるマップにまとめたのが、「ばんそうこうの呼び方マップ」だ。

2021年にWEBで公開されて以降、メディアやSNSで話題となり、当サイトでも200万PVを記録する大きな反響を呼んだこのマップ。2026年1月、公開から5年を経て大幅なリニューアルが行われ、さらなるパワーアップを果たした。今回は、その全貌をご紹介する。

■同じ県民でもこんなに違う!構成比で見えるさらなる地域差

マップサイトにアクセスすると、まず目に飛び込んでくるのが「新2026年版ばんそうこうの呼び方マップ」だ。従来のマップでは都道府県ごとの呼び名が色分けによって表示されていたが、リニューアル後はマップをクリックすることでその地域内での呼び方の割合が一目でわかるようになった。例えば、北海道は「サビオ」が優勢と表示されているが、構成比を確認すると実は「ばんそうこう」と呼ぶ人も一定数存在するようだ。

「ばんそうこうの呼び方マップ」は各都道府県の呼び方構成比が表示されるようになり、さらにパワーアップ
「ばんそうこうの呼び方マップ」は各都道府県の呼び方構成比が表示されるようになり、さらにパワーアップ

「ばんそうこう」以外の呼び名はいずれも商標名であり、そのエリアで普及した商標や、各家庭で認知されている商標がばんそうこうを指す言葉として使われていると推測されている。「全ての人がそう呼んでいるのではないという事をご了解ください」とサイト内でも注釈が入れられている。ちなみに、関西在住の筆者宅では、関西では珍しい「サビオ」呼び。友人知人には通じないため「バンドエイド」も併用している。

日本各地でさまざまな呼び名が入り乱れていることがわかる「ばんそうこうの呼び方勢力図」
日本各地でさまざまな呼び名が入り乱れていることがわかる「ばんそうこうの呼び方勢力図」

さらにスクロールすると表示されるのが「呼び方勢力図」だ。呼び名の由来や、呼び名の分布地域がわかりやすく書かれている。隣接する都道府県だけではなく、飛び地のように勢力が広がっているものもあるのがおもしろい。いろいろな商標が、各地でしのぎを削っているのがよくわかる。

■呼び方マップのバリエーションを新たに追加

今回のリニューアルで大きく変わったのが、新たに追加された「いろいろ呼び方プロジェクト」だ。地域によって呼び方が違うのは、ばんそうこうだけではない。日常に潜むさまざまな地域差に焦点を当て、ばんそうこうと同じく都道府県ごとのマップにまとめられている。

夏の風物詩も実はローカルな呼び名があった
夏の風物詩も実はローカルな呼び名があった

例えば、小麦粉でできた皮にあんこを挟んで焼き上げた丸いお菓子は「大判焼き」の呼び名が全国的に優勢だが、地域によって「回転焼き」や「今川焼き」などの呼び名も存在する。「棒アイス」といわれるとピンとこない人もいると思われるが、マップに添えられた写真を見れば一目瞭然。「チューペットに地域ごとの呼び名があったのか!」と筆者も驚いた次第だ。このほか、医学的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と呼ばれるものもらいや、最下位を表す言葉など、7つのマップが追加されている。

それぞれのマップには言葉の由来や地域差についての解説、さらには地図には反映しきれない少数派の呼び名も掲載され、充実した内容となっている。自分の呼び名のローカル度はもちろん、「あの時わからなかった方言の意味」を知る手がかりにもなりそうだ。

「ばんそうこうの呼び方マップ」を手がけているのは、熊本県に本社を置く阿蘇製薬株式会社。絆創膏などのキズケア商品を主力とする医薬品・医療機器メーカーで、救急絆創膏の生産枚数は国内トップクラスだ。ドラッグストアやホームセンター、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど、各業界のトップ企業からの生産委託を受け、これまで140社以上のプライベートブランド製品の開発・製造を行っているという。

同社は北海道で圧倒的知名度を誇る「サビオ」の製造を手がけている。サビオは2002年に製造を一旦終了するが、その後もサビオの名前が北海道から消えることはなかった。実態調査でそのことを知った同社は、17年後の2020年にサビオの製造を復活。再販売を告知するブランドサイトのコンテンツとして誕生したのが「ばんそうこうの呼び方マップ」だ。

リニューアルに合わせ、新コンテンツ「キズ・ケガ応急処置ガイド」も公開された。すり傷や切り傷、刺し傷など17種類のキズやケガについて、適切な応急処置の方法をわかりやすく解説している。処置の際の注意点や、適切なばんそうこうの選び方もまとめられており、いざというときの豆知識が満載だ。

■運営元はばんそうこう製造のエキスパート。充実のコンテンツをつくったワケは?

今回のリニューアルについて、マップ誕生からコンテンツ制作に携わる担当者に話を聞いてみた。

■マップ公開後から大反響。リニューアルにかける想い
北海道限定で復活したサビオはお客様の声に応えて全国に販売を拡大。パッケージも刷新された
北海道限定で復活したサビオはお客様の声に応えて全国に販売を拡大。パッケージも刷新された


ーー「ばんそうこうの呼び方マップ」を最初にご紹介したのが2021年。大きな反響があったようですが、その後いかがでしょうか?

「おかげさまで、新聞や書籍、ネットメディアやテレビなど、たくさんのメディアで取り上げていただきました。取引先や一般のお客様から『記事を見ました』『自分もサビオと呼んでいます』『以前うちでサビオを取り扱っていたので懐かしい』などと声をかけていただけたのもうれしかったですね」

ーーマップ制作のきっかけが「サビオ」の販売再開だったとお聞きしましたが、サビオのその後についても教えてください。

「当初は北海道限定で販売されていましたが、『自分もサビオと呼んでいる』『サビオを購入したい』という声が他地域からも寄せられるようになりました。当社としても機能性にもこだわって開発したものですので、より多くのお客様に届けるべく現在は販売エリアを全国に拡大しています。お近くで見かけたときはぜひ手に取ってみてください」

ーーサビオが全国区になっていたとは。そもそも、今回のリニューアルのきっかけは何だったのでしょうか?

「実は、このマップは公開当初から定期的な更新を行うことを想定して企画していました。サイト上にアンケートを常設し、継続的にデータを収集していたんです。こちらと並行して、弊社の公式サイトを全面リニューアルすることになり、いろいろなアイデアを検討して準備を進めました」

ーー単なるサイト更新ではなく、一大プロジェクトだったのですね。

「構想から約2年をかけたプロジェクトでした。全面リニューアルが決まってからは、既存の運営チームだけではなく、社内の各部門から選抜された11人の若手リーダー候補が加わり、公式サイトの充実はもちろん、『ばんそうこうの呼び方マップ』もリニューアルの一環として位置づけて、これまで以上に充実したものを目指しました。まずはデータ集計の担当者からの提案をもとに、閲覧者の皆さんが楽しめるコンテンツをメンバーで話し合って見せ方を考え抜き、アンケートもブラッシュアップしていきました」

ーー都道府県ごとの呼び方だけではなく、地域内での構成比がわかるようになったのはおもしろいですね。

「ありがとうございます。従来のマップは、アンケートを集計してその地域で最もよく使われている呼び方を基に作成していました。ですので、マップ公開後はアンケートの回答に『自分の県では○○と表示されているが、周囲でその呼び方をしている人を見たことがない』とのコメントが寄せられることがあったんです。アンケートの回答数が十分に蓄積され、さらに細かな分析が可能になったのでこのような構成比を作成することになりました。今後さらに回答数が増えれば、年齢層別や年度別といった新たな分析も可能になると期待しています」

ーー構成比を算出してみて、意外に思ったことや注目してほしいエリアがあれば教えてください。

「前回のマップ作成時は関東圏7都県すべてで『バンドエイド』という呼び方がトップだったのに対し、今回の調査では東京を除き『ばんそうこう』という一般名称の呼び方に変わってきています。ただ都道府県別に見ると、その差が僅差である地域が多いので、今後の勢力図がどうなるか、注目ポイントですね」

■「ばんそうこう以外」のきっかけは御座候だった
ばんそうこう以外にも地域差がある言葉をマップにまとめている
ばんそうこう以外にも地域差がある言葉をマップにまとめている


ーーばんそうこう以外の「いろいろな呼び方プロジェクト」もリニューアルの見どころだと思いますが、なぜこのコンテンツを追加することになったのでしょうか。

「都道府県の構成比と同じく、アンケートの回答がきっかけです。『うちの地域では、大判焼きを“御座候”と呼びます』というものでした。たしかに、ばんそうこう以外にも呼び方が異なるものはあるよねとサイト運営メンバーでも話が盛り上がり、地域差のあるさまざまなモノ・コトの呼び方についてもアンケートで尋ねることになりました。2年間かけて回答を収集し、今回のリニューアルで正式企画としてリリースすることができました」

ーー「いろいろな呼び方プロジェクト」で、初めて知った呼び名や驚いたことはありますか?

「『体育座り』はマップ上ではほぼ『体育座り』一色ですが、少数派ではあるものの、福井・鳥取・宮崎県での「お山座り」や岩手県の「安座(あんざ)」など聞いたことのない呼び方もありました。また、『大判焼き』は、その地域にあるお店の名前に由来しているものが多いようで、各地を旅行する機会があればその由来となっている店で実物を購入して味比べをしてみたいです。ちなみに私の地元の熊本では『蜂楽まんじゅう』と呼んでいるのですが、餡にたっぷり蜂蜜が入っているのが特徴で、濃厚な甘さがとってもおいしいです!熊本に来られた際には、ぜひご賞味くださいね」

ーー熊本の蜂楽まんじゅう、気になります!マップを作成する中で、おもしろい発見や気づいたことがあれば教えてください。

「呼び方の異なる地域に転居した際の対応は、人それぞれであることがわかりました。その土地の呼び方に自然と順応する方、これまで使ってきた呼び方にこだわり続ける方、この機会に標準語である『ばんそうこう』に切り替えた方など、反応は実にさまざまです。アンケートを通じて寄せられた多様な経験談やコメントが、今回のリニューアルに繋がりました」

■ばんそうこうのエキスパートがコンテンツを強化する理由
阿曽製薬株式会社のおすすめコンテンツとして新たに登場した「キズ・ケガ応急処置ガイド」
阿曽製薬株式会社のおすすめコンテンツとして新たに登場した「キズ・ケガ応急処置ガイド」


ーー公式サイトも合わせてリニューアルされたとのことですが、「キズ・ケガ応急処置ガイド」という新たなコンテンツも加えられていますね。図表を効果的に使った解説が印象的です。

「キズやケガについて、体系的にまとまったサイトが意外に見当たらなかったことが、本企画の出発点です。自社製品に関連する処置や製品の使い方だけではなく、日常で起こりうるさまざまなキズやケガの情報をまとめるコンテンツを制作することにしました。キズやケガの発生原因の違いや、それに応じた適切な応急処置と注意点、さらには医療機関を受診すべきかどうかの判断基準など、各種資料を集めて原案を作成し、当社の産業医である笹野紗帆里先生に監修をお願いしています」

ーー御社は大手企業のPB(プライベートブランド)製品を手がけるBtoB取引が主力だそうですが、一般ユーザー向けのコンテンツに力を入れているのはなぜなのでしょうか。

「当社がOEM(他社ブランドの製品を製造すること)やPBを中心に展開していることは現在も変わりません。ですが、製品に関するお問い合わせ窓口を担当し、一般のお客様の声をお聞きする機会も多いんです。これは当社の大きな強みで、寄せられたお声を製品開発に生かすよう努めてきました。今回のサイトリニューアルによって、当社のノウハウをお客様のお役に立てていただき、さらにはお客様とのコミュニケーションをより豊かにしたいと考えています」

ーー盛りだくさんなリニューアルで、楽しめました! 最後に、読者の方に伝えたいメッセージがあればお願いします。

「皆さんに楽しんでもらえるよう、単なる情報の羅列ではなく、読んで楽しい豆知識も満載しました。以前に一度マップをご覧になった方も、初めての方も、ぜひ当サイトにお立ち寄りください。あわせて『ばんそうこうの呼び方アンケート』にもご協力いただければ幸いです。皆様からの声をもとに、今後もより充実した内容に進化させていきたいと考えております」


『ばんそうこうの呼び方マップ』リニューアルの背景には、ユーザーからの声と真摯に向き合い続ける企業の姿勢があり、ばんそうこうのエキスパートならではのこだわりがたっぷり詰まっていた。マップを覗けば、あなたの身近なところに潜む意外な地域差を発見できるかもしれない。

取材・文=油井やすこ

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配信元: Walkerplus

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