謝罪はしたものの…モヤが晴れない
「本当に申し訳ありませんでした」私は何度も頭を下げた。店員さんのご厚意に、感謝しかなかった。しかし、店を出てからのしゅんの態度に、私は愕然とした。
車から店までの道中、しゅんはスキップをして歩いていた。まるで、遠足に行く子どものように、楽しそうに。店の中でも、反省の色など微塵も見せず、普通に買い物をするように商品を物色している。
店員さんが出てきてくれた時も、彼はモジモジと私の後ろに隠れ、謝罪の言葉も、ようやく聞こえるか聞こえないかの小さな声で言うのがやっとだった。その時、私の感情は抑えきれなくなった。
「しゅん! 何でそんな態度なの! ちゃんと謝りなさいって言ったでしょ! ママがどれだけ恥ずかしい思いをしてるか分かってるの!?」
私は、店の前で、しゅんをきつく叱ってしまった。周りの人の視線が突き刺さるような気がして、いたたまれなかった。しゅんは、私の剣幕に驚いたように、また涙を流し始めた。その涙を見て、私はまた自己嫌悪に陥る。
自分がきつい言い方をしたこと、そして、我が子の万引きというショック。その二つが、私の心を深く深く傷つけ、つらい一日を過ごすことになった。
スキップをしながら帰る息子・しゅんの行動が信じられず、ついキツく叱ってしまいました…。母である啓子も、大きなショックを受けたできごとでした。
このあと、啓子は息子と向き合うことができず、苦しい日々を過ごします。そんなとき浮かんだのは、保健センターの女性の顔でした。以前、お世話になったことがある人です。
第三者を介して、冷静に話し合いができたおかげで、万引きをしてしまった理由が判明。しゅんは、ママにもっとかまってほしくて、SOSを出していたのです。以来、スキンシップを通して親子の絆を少しずつ修復。今は、とてもいい親子関係を築けるように。
もしも、わが子が万引きをしたら…。とてもショックで、受け入れがたい気持ちになってしまいますね。ですが、そのあとのケアがとても重要だと気づかせてくれる作品です。
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

