夫と交わした約束、しかし愛情はもう…
風呂から上がってきた祐介を、私はリビングで待ちかまえました。私は冷徹な仮面をかぶり、
「スマートフォンがなり続けていたから、止めようとしたら、メッセージが見えてしまった」
という、建前を用意しました。
彼からの「勝手に中身を見た」という逆襲を、事前に封じるためです。 彼は顔面蒼白になり、その場に崩れ落ちて平謝りしました。
「魔が差した」「妊娠中でかまってもらえなくて、寂しかった」「仕事のストレスがあった」
ありきたりな言い訳の数々。私は冷めた目で見下ろしました。私の苦しみよりも、自分の保身を優先させるその姿に、心の底から失望しました。
しかし、その時は、おなかの中の赤ちゃんのために、やり直す道を選びました。
「次にしたら即離婚」「パスワードを常に私に開示すること」「位置情報を共有し続けること」そんな約束をし、彼は涙を流して、それに同意しました。
それからの日々、彼はまるで別人のように献身的な夫を演じていました。
しかし、一度、こわれた信頼は、どれだけ丁寧な言葉で修復しようとしても、ひび割れたままでした。私は夫の優しさにふれるたび、あの画面の文字を思い出し、冷たいトゲが刺さったままの胸の奥が痛むのを感じました。
このおだやかな日常は、「薄氷の上に築かれた偽物」…。私の心には、そんな暗闇が息を潜めているのを、確かに感じていました。
あとがき:「女のカン」が暴いた真実
一度でも「うらぎり」があれば、人は疑心暗鬼になるものですよね。しかも、妊娠中とあれば、怒りはさらに燃え上がります。この怒りの炎が、真里の中で静かにくすぶり続け、再び大きな炎へと姿を変えるのではないかと予感させるエピソードです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: kgrddm
(配信元: ママリ)

