総肺静脈還流異常症の治療
総肺静脈還流異常症の主な治療は外科手術です。とくに肺静脈が狭窄している状態では肺うっ血が著しく、生命に関わる状態となるため迅速な対応が求められます。
呼吸状態が安定せず緊急性が高い場合は、手術までの間、人工呼吸器による呼吸管理や高度な生命維持装置を用いることがあります。
手術の具体的な方法は病型によって異なりますが、基本的には開心術によって肺静脈が正しく左心房へ流れ込むように治療します。
また、手術後の管理においては肺高血圧(肺の血管の圧力が高くなる状態)が悪化する可能性があるため、慎重な経過観察が欠かせません。
手術後の経過が良好であれば健康な子どもと近い成長発達が期待できますが、合併症の予防や早期発見のために定期的な医療機関での経過観察が重要です。
総肺静脈還流異常症になりやすい人・予防の方法
総肺静脈還流異常症は、胎児の心臓が発育する過程における異常によって発症することが知られていますが、なぜ異常が生じるのかは解明されていないのが現状です。
しかし、内臓心房錯位症候群やその他の先天性心疾患を患っている場合はリスクが高まる可能性があります。
現時点では総肺静脈還流異常症を確実に予防する方法は確立されていません。
妊娠中は、心臓を含む胎児の正常な器官形成を促すために、バランスのよい食事を心がけましょう。
妊娠前に風疹などの感染症を予防する予防接種を受けることも重要です。喫煙や飲酒も控えて、生活習慣を改めることが大切です。
また、定期的な妊婦健診を受けることで胎児の先天性疾患を事前に発見できる可能性が高まります。早期発見により具体的な治療計画を立て、出生後すぐに治療を開始できる状態にしておくことが大切です。
関連する病気
内臓心房錯位症候群
心室中隔欠損症
肺高血圧症
参考文献
国立研究開発法人国立循環器病研究センター「総肺静脈還流異常症(TAPVC)」小児慢性特定疾病情報センター「総肺静脈還流異常症」

