クレスト症候群の前兆や初期症状について
クレスト症候群には、名前の由来となった5つの特徴的な症状があります。
皮下石灰沈着(C)は、皮膚や関節の周りに硬い白い塊ができる症状です。これが痛みや炎症を引き起こすこともあります。
レイノー現象(R)は、寒さやストレスで指先が白から青、青から赤と色が変わる症状です。温めると元に戻りますが、症状が繰り返し起こることがあります。
食道運動障害(E)では、食べ物の飲み込みにくさや胸やけなどの消化器症状が見られます。食道の動きが悪くなることが原因です。
強指症(S)では、指の皮膚が硬くなって動きが制限されることがあります。顔の皮膚も硬くなり、表情が乏しくなったり、口の開きが小さくなったりすることもあります。
毛細血管拡張症(T)は、皮膚表面に小さな赤い斑点としてあらわれます。主に顔や手に見られることが多いです。
これらの症状はすべての患者に生じるわけではなく、あらわれ方や程度も個人差があります。
クレスト症候群の検査・診断
クレスト症候群の診断は、特徴的な症状の確認と検査によって行われます。
医師は、問診、視診、触診などによって、皮膚の硬さや色の変化、指の変形、カルシウム沈着の有無、毛細血管拡張症による赤い斑点の有無などを確認し、診断の材料にします。
診断では2013 年 ACR/EULAR 分類基準を使用します。皮膚硬化範囲、指端病変、レイノー現象、特異抗体(抗セントロメア抗体など)を点数化し、総得点≥9の場合に全身性強皮症 と分類されます。
さらに、血液検査による抗セントロメア抗体が陽性で、レイノー現象が初発で見られる場合、クレスト症候群の可能性が高くなります。また、クレスト症候群は爪郭毛細血管鏡で毛細血管拡張や血流低下像も高率に確認できます。
そのほか、レントゲン検査やCT検査などの画像検査で、カルシウム沈着や食道・心臓・肺などの機能を調べることもあります。皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検」が診断確定のために行われることもあります。

