その“オーラ”と“熱量”に触れて、より光る次世代俳優たち
作品の魅力は、もちろん木村だけではありません。生徒を演じる役者たちも大きな輝きを放ちます。特徴的なのは、ある意味では学園ドラマ的作品であるにもかかわらず、若手の登竜門的な意味合いは薄いということです。生徒役に選ばれているのは、若手という枠に収まらない、すでに確かなキャリアを築いた実力派たち。『教場』では、工藤阿須加、林遣都、大島優子、川口春奈、三浦翔平、西畑大吾(なにわ男子)、富田望生ら。『教場Ⅱ』では濱田岳、上白石萌歌、目黒蓮、福原遥、矢本悠馬、杉野遥亮、戸塚純貴、眞栄田郷敦など。『風間公親-教場0-』にいたっては、赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太――もう主演級です。
そんな実力を持つ若手たちが、圧倒的存在感を放つ木村拓哉と共演することで、より深みのある演技を見せてくれたり、意外な一面を見せてくれたりすることも本作の魅力です。
今回の2本の劇場版における生徒役は、佐藤勝利(timelesz)、綱啓永、齊藤京子、金子大地、倉悠貴、井桁弘恵、中村蒼らが名を連ねています。個人的に注目しているのは、現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で黒田官兵衛役を演じることが決まっている倉悠貴でしょうか。多くの映画やドラマに出演し、朝ドラ『あんぱん』でも注目された彼の実力が、忌憚なく発揮されている予感がします。
一貫して描かれている“人間の業”が観る者を惹きつける
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最後に触れたいのは、『教場』シリーズとしての物語性です。生徒たちがそれぞれに“秘密”を抱え、適性のない者が風間によって容赦なくふるい落とされていく展開はもちろんですが、何よりの見どころは人間の描き方ではないでしょうか。
警察官と聞いて、多くの人が抱くのは「揺るぎない正義」の体現者というイメージかもしれません。身も心も削り、市民の平和を守るために尽力する——そんな崇高な使命を背負った姿です。ゆえに、教場の門を叩く生徒たちもまた、そうした潔白な志を持つ人々だと思われがちです。
しかし、本作が映し出すのは、単なる理想像としての警察官ではありません。描かれているのは、理想を追い求めながらも抗えない、多種多様な“人間の業”そのものです。強さだけでなく、弱さも情けなさも、生徒たちがある種すべてをさらけ出し、丸裸にされていく人間ドラマにこそ、私たちは惹きつけられているのではないでしょうか。
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劇場版『教場 Requiem』では、第205期生たちが抱える闇や秘密が暴かれるなかで、風間の右目を奪った因縁の相手・十崎波琉(森山未來)との事件に決着がつくと思われます。超豪華な卒業生たちとともに、どんなラストを迎えるのか――見逃せそうにありません。
<文/鈴木まこと>
【鈴木まこと】
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201

