小腸がんの前兆となる初期症状
症状が出にくい小腸がんですが、初期段階でまったく兆候がないのか?というと、必ずしもそうとは言い切れません。早期には自覚症状が乏しいとはいえ、注意深くみると「前兆」ともいえるサインが現れている場合があります。以下に、小腸がんの初期にみられる兆候について解説します。
便潜血検査の陽性反応
小腸がんのごく初期には目に見える血便が出ないことが多いですが、便潜血検査でわずかな出血を検出できる場合があります。便潜血検査とは便に微量の血液が混じっていないか調べる検査で、大腸がん検診などでも行われている検査です。健康診断で「便潜血陽性」と指摘された場合、大腸カメラだけで異常が見つからなくても、小腸を含めた消化管全体のどこかで出血している可能性があります。安易に放置せず、必要に応じて消化器内科で追加の検査を相談しましょう。
貧血による症状(疲れやすい・めまいなど)
先述のとおり、小腸がんは初期から慢性的な出血を伴うことで鉄欠乏性貧血という状態になることがあります。顔色が優れず皮膚や粘膜が白っぽい感じになることもあります。貧血は消化管からの持続的な出血を疑わせるサインの一つです。特に閉経後の女性や男性で貧血がみられる場合、胃や大腸の検査を含め念のため調べておくことが推奨されます。小腸がんでも貧血が初発症状となるケースがあり注意が必要です。
軽い腹痛や消化不良感
小腸がんは初期の段階では、かすかな腹部の違和感を感じる方もいます。特に腫瘍が十二指腸にある場合、胃の症状と区別がつきにくく、胃の不調と誤認されることもあります。胃薬を飲んでも改善しない胃部不快感や腹部の軽い痛みが慢性的に続く場合には、消化器専門医を受診して精密検査を受けることが望ましいでしょう。
体重減少・食欲低下
小腸がんの初期には目立つ症状がない分、体重減少や食欲低下などの全身の症状がでることがあります。がん細胞は増殖する際にエネルギーを消費し、また炎症を起こし、食欲を落とすことがあります。そのため、本人は普通に生活しているつもりでも徐々に体重が減っていく場合も少なくありません。特に中高年以降でこのような変化に気づいたときは、念のため消化器系の検診を受けるのがおすすめです。
「小腸がん」についてよくある質問
ここまで小腸がんについて紹介しました。ここでは「小腸がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
小腸がんの生存率はどれくらいなのでしょうか?
齋藤 雄佑 医師
小腸がんの5年生存率(診断から5年後に生存している割合)はステージ(病期)によって大きく異なります。国立がん研究センター中央病院でのデータによれば、腺がんの場合でステージⅠは約80~85%、ステージⅡで約78~86%、ステージⅢAで約52%、ステージⅢBでは約21%と報告されています。
小腸がんは希少がんに分類されるのでしょうか?
齋藤 雄佑 医師
はい、小腸がんは典型的な希少がん(まれながん)です。希少がんの定義は「患者数が少なく診断や治療の確立が難しいがん」で、国際的には人口10万人あたり年間発症6人未満とされています。小腸がんはまさに該当しており、日本でも発症率が非常に低い希少ながんの一つです。

