胃潰瘍|ステージ別の治療法と注意点

胃潰瘍のA1・A2の治療法を教えてください
A1・A2は活動期にあたるため、潰瘍の進行を抑え、胃粘膜の回復を促す治療が中心です。主に胃酸の分泌を抑える薬が用いられ、潰瘍部位への刺激を減らすことで治癒を目指します。治療期間は、6〜8週間ほど薬を続けるケースが多いです。出血を伴っている場合には、内視鏡を用いた止血処置が行われることもあります。また、ピロリ菌感染が確認された場合には、潰瘍の状態が落ち着いた段階で除菌治療を検討します。この時期は潰瘍が不安定な状態であるため、薬を指示どおりに継続することが重要です。
参照:『消化性潰瘍ガイド2023』(日本消化器病学会)
胃潰瘍のH1・H2はどのように治療しますか?
H1・H2は治癒期にあたり、潰瘍は回復に向かっていますが、治療を途中で止めると再び悪化することがあります。そのため、活動期と同様に胃酸分泌を抑える薬を6〜8週間ほど継続します。症状が落ち着いている場合でも、自己判断で薬を中断せず、医師の指示に沿って治療を続けましょう。
胃潰瘍S1・S2の治療法を教えてください
S1・S2は瘢痕期であり、潰瘍は治った状態に近づいています。この段階では、胃酸を強く抑える治療は終了し、再発予防を意識した対応へ移行します。ピロリ菌感染が確認されていれば、除菌治療を行うことで再発の可能性を下げることが期待されます。また、解熱鎮痛薬の使用歴がある場合には、薬の見直しが検討されます。瘢痕期は症状がほとんどないため、治療が不要と感じやすい時期ですが、原因に対する対策を続けることが再発防止につながります。
治療中の注意点を教えてください
胃潰瘍の治療中は、症状の有無に関わらず処方された薬を継続することが重要です。痛みが消えても潰瘍が完全に治っていない場合があり、自己判断で治療を中断すると再発や悪化につながることがあります。また、喫煙や過度の飲酒は胃粘膜への刺激となるため、治療期間中は控える姿勢が望ましいです。解熱鎮痛薬を使用している方は、主治医と相談しながら薬の調整を行います。
編集部まとめ

胃潰瘍は、内視鏡検査によって活動期、治癒期、瘢痕期というステージに分けて評価される病気です。A1・A2は、潰瘍が不安定で、痛みや出血を伴う場合があり、早い段階での治療が欠かせません。H1・H2は、症状が落ち着いてきますが、潰瘍は回復の途中であり、治療の継続が求められます。S1・S2は、潰瘍が治った状態に近づきますが、原因が残っていると再発につながる可能性があります。
痛みが軽くなったからといって治療を終えるのではなく、医師の指示に沿って薬を続ける姿勢が欠かせません。また、ピロリ菌感染や薬の影響など、胃潰瘍の背景にある要因を確認し、必要に応じた対応を進めていくことが大切です。
参考文献
『消化性潰瘍診療ガイドライン 2020(改訂第3版)』(日本消化器病学会)
『消化性潰瘍ガイド2023』(日本消化器病学会)

