PET検査というと、がんを見つける検査というイメージが強いかもしれません。しかし、じつはがんの発見だけでなく、様々なシーンでPET検査は用いられるようです。今回は、PET検査を受ける際の注意点について、検査専門の施設でPET検査を数多く実施している「ゆうあいクリニック」の吉田先生に教えていただきました。

監修医師:
吉田 啓介(ゆうあいクリニック)
金沢大学医学部(現・金沢大学医薬保健学域医学類)卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修了。2024年、神奈川県横浜市港北区に位置する「ゆうあいクリニック」の院長に就任。医学博士。日本核医学会核医学専門医・PET核医学認定医、日本医学放射線学会専門医。検診マンモグラフィ読影認定医師。
編集部
PET検査を受ける際の注意点はありますか?
吉田先生
FDGを使用するPET検査は、がん細胞など異常のある部分にブドウ糖によく似た薬剤が集まる性質を活用した検査です。そのため、検査前に4~6時間絶食して、体内のブドウ糖を減らすことで薬剤の集まり具合を診断しやすいようにしますが、糖尿病などで空腹時血糖値が普段から高い人は、正確に診断することができません。そのほか、妊娠中の人や妊娠の可能性がある人は被ばくによる胎児への影響を考え、検査を受けることができません。
編集部
ほかにも注意すべきことはありますか?
吉田先生
検査前に激しい運動をするとFDGが筋肉に集まってしまい、正しい診断が難しくなってしまう可能性があるので控えましょう。アミロイドPET検査は食事の影響を受けないので、検査前に絶食する必要はありませんが、激しい運動は控えるようにしてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
吉田先生
PET検査は、様々な疾患において利用されるようになり、健康保険での検査も可能です。ただ、身近な検査にはなったものの、PET検査ができる医療機関は限られます。また、健康保険の適用には決められた要件を満たす必要があるので、主治医の先生とよくご相談ください。
※この記事はMedical DOCにて<「PET検査」はがんだけじゃない!? 発見できる疾患や検査の注意点も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

