「そのうち治る」と放置したニキビは、痕になって残ることがあります。早めに治療を始めることで重症化を防ぎ、きれいな肌を取り戻せます。原因や治療法について、もこスキンクリニック吉祥寺本院の高畠先生がわかりやすく解説します。
※2025年11月取材。

監修医師:
高畠 唯(もこスキンクリニック吉祥寺本院)
国立香川大学医学部医学科を卒業後、社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院、高松赤十字病院、香川大学医学部附属病院にて、幅広い臨床経験を積む。その後、大手美容クリニックでの勤務を経て、2022年に西荻窪(東京)で皮膚科を開院。2025年に吉祥寺(東京)へ移転した。ボトックスビスタ認定医、ジュビダームビスタ認定医、日本美容皮膚科学会。
ニキビ治療とはどのようにおこなうのか?
編集部
ニキビ治療はどのように進められるのでしょうか?
高畠先生
ニキビ治療は、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌、アクネ菌の増殖など、原因に合わせて段階的におこないます。初期の白ニキビや黒ニキビでは、角質を正常化させる外用薬を中心に使用します。炎症性の赤ニキビがある場合は、抗菌薬の外用や内服を併用することもあります。
編集部
重症化した場合にはどうするのでしょう?
高畠先生
重症化した場合には、保険診療の抗菌薬などに加えて、自由診療のホルモン療法やイソトレチノイン内服薬などを検討することもあります。これらの治療の目的は皮脂の分泌を抑えるだけでなく、細胞を正常化し、毛穴や肌質を改善することです。つまり、できたニキビを治すだけでなく、新しく作らせない肌環境を整えることも目的としています。
編集部
スキンケアだけでは治らないのでしょうか?
高畠先生
スキンケアは大切ですが、すでに毛穴の中で炎症が起きているニキビは、化粧水や洗顔だけでは改善しにくいです。医師の処方薬は皮膚のターンオーバーを正常化させ、根本的な治療につなげます。特に思春期や大人ニキビは、ホルモンや生活習慣など複数の要因が関係するため、医師の診断を受けることで適切な治療法が見つかります。
編集部
市販薬と医療機関での治療の違いについても教えてください。
高畠先生
市販薬は軽症ニキビには効果的なこともありますが、有効成分の濃度が低く、炎症性ニキビや繰り返すタイプには不十分なことが多い傾向にあります。医療機関では肌状態を細かく診断し、症状に合った外用薬・内服薬を組み合わせて治療します。また、ケミカルピーリングや光治療など、再発防止や痕を残さないための治療をおこなえる点も大きなメリットと言えるでしょう。
早めにおこなうことの意義は? 治療が遅くなるとどうなる?
編集部
なぜ、ニキビは早めに治療したほうがよいのでしょうか?
高畠先生
ニキビは放置すると炎症が悪化し、毛穴や皮膚組織が破壊されてクレーター状の凹みが残ったり、色素沈着が起きたりすることがあります。早期に治療すれば、炎症の広がりを抑え、肌の修復力を保てます。また、見た目のコンプレックスからくるストレスも軽減できます。
編集部
治療が遅れると、どのようなリスクがありますか?
高畠先生
炎症が長引くことで皮膚の奥までダメージが及び、瘢痕(はんこん)や赤みが慢性化することがあります。また、自己流でつぶしたり、強いピーリング剤を使ったりすると、さらに悪化してしまうこともあります。皮膚バリアが壊れるとほかの皮膚トラブルも併発するため、様子を見るよりも早めに治療を始めることが重要です。
編集部
思春期ニキビと大人ニキビ、治療のタイミングに違いはありますか?
高畠先生
どちらも早期治療が基本ですが、思春期ニキビはホルモン変化が関係しやすく、一時的なものである場合もあります。一方、大人ニキビは慢性化しやすく、ストレスや睡眠不足、化粧品の刺激など要因が多岐にわたります。そのため、早めに医師が関与することで原因を正しく見極め、生活習慣を改善することで治療効果を高めることもできます。
編集部
早めに受診したほうがよいサインはありますか?
高畠先生
ニキビが繰り返しできる、赤く腫れる、膿がたまる、痕が残りやすい、という状態は医師の診察が必要です。炎症性ニキビが続くと皮膚内部の炎症が“記憶”され、慢性化しやすくなります。初期の段階で治療を始めることが、重症化と痕が残ることの防止につながります。

