●法的に「セーフ」だからといって、やっていいわけではない
一つ一つの書き込みについて、法的には責任追及することが難しいからといって、そうしたコメントを続けていいわけではありません。
フィギュアスケートのペア競技は、大きな危険を伴う演技の中で、二人の信頼関係が不可欠です。その関係を、安易に「男女の恋愛」に矮小化し、性的な文脈で消費することは、アスリートとしての彼らへの冒涜になりかねません。
純粋に二人の幸せを願って発信している人も多いとは思いますが、本人たちが公言しているのであればともかく、憶測や願望を執拗に発信し続けることは慎むべきでしょう。
また、外野から「付き合ってるだろ」などという発言を過剰に繰り返すことは、選手同士に不要な気まずさを生み、信頼関係やコンビの雰囲気を損なうおそれがあります。最悪の場合、競技生活そのものに影を落とすいやがらせになりかねません。
SNS上の「付き合ってるだろ」といった書き込みは、一つ一つは法的責任は問われない可能性が高いと思います。それでも、そうしたコメントが無数に降り注ぐことで、アスリートの心を確実に削っていく側面があります。「法的にアウトかセーフか」よりも、観客側のモラルや、スポーツをどう楽しむかが問われているといえるでしょう。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

