ダイエットにも漢方がいいって本当?子どもに飲ませる時は用途を見極め適正な量を守ることが大切です

ダイエットにも漢方がいいって本当?子どもに飲ませる時は用途を見極め適正な量を守ることが大切です

薬局などでも気軽に漢方薬が買えるようになったけれど、子どもにも飲ませていい?市販薬より良さそうだけど、あまり飲みなれてないから心配・・・そんな悩みについて、農学博士であり、大学の非常勤講師でもある株式会社ユーザーライフサイエンス取締役会長の大貫宏一郎さんからお話をお伺いしました。

市販の漢方薬って子どもに飲ませても大丈夫?

インフルエンザなどの風邪症状に加えて、花粉症による目鼻の不調が出てくるようになると、ドラッグストアに駆け込んだり、それらの症状に備えたりして通信販売などで購入し常備薬としておくこともあるでしょう。同じような薬が多いので迷ってしまいますが、「漢方」や「生薬」の言葉が書かれている医薬品は独自性も高く、安全性や有効性について信頼感が高まるかもしれません。ですが、逆に副作用も気にかかりますね。

子どもに飲ませる時はどこを見る?

安心な製品としては、「こども」「小児用」「お子様に」などの表記がある製品です。製品の裏を確認すると、年齢によって用量の違いも書かれていることが多いです。例えば、4歳未満1粒、7歳未満2粒、15歳未満3粒といった具合です。 また、小さいお子さまは苦味が苦手な場合も多いため、飲みやすいように味付けがあることもあります。苦いことで十分な量が摂取できず、場合によっては吐き戻すこともあるので、それらを避けることができます。

漢方薬と他の薬の違いは?

ドラッグストアなどで一般的な医薬品と漢方薬は近い場所に並んでいることが多く、近い存在だと感じるかもしれません。ドラッグストアで購入できる医薬品はOTC(over the counter、カウンター越しという意味)医薬品と呼ばれ、医師の処方なしで購入できる薬になります。これらはセルフメディケーション、自分自身で健康管理や症状を緩和することを目的としています。

病院やクリニックで医師の処方により、OTC薬や漢方薬と同じ薬を手渡されることもあり混同しやすいですが、科学的に考えると全く異なる部分もあります。

漢方薬の最も大きな特徴としては、「有効成分の記載がされていない」ということがあります。成分にはさまざまな物質が書かれているように見えますが、これらは生薬の名前になります。 例えば、トウガラシが生薬になると、辣椒、蕃椒もしくはバンショウといった表記になります。

トウガラシの辛味成分であるカプサイシンは身体を温める効果があることで知られており、生薬でも同様な効果が期待されて使われています。ご存じの通り、トウガラシでも激辛なものからピーマンのように辛味のないものまでありますが、辛さは関係ありません。重要なのは、有効成分であるカプサイシンの量です。
また、漢方薬では有効成分の種類や量の記載がなく、生薬(天然物の乾燥品やエキス)の量が記載されています。

漢方薬が流行しているようだけど、注意した方がいいことは?

漢方薬は一般的な医薬品と違い有効成分の記載がなく、漢方薬の効果が心配になるかもしれません。こども向けの風邪薬だけでなく、美容やダイエットなどでも漢方薬が流行っていたりします。

漢方薬には長い歴史があり、独自の理論に基づいた生薬の処方により成り立っています。現在の科学では、1つの物質の効果に対して詳細な研究をすることは得意としていますが、2つ以上の物質になると苦手になり、多くの物質が含まれる生薬を複数処方する漢方薬の解明をすることは困難です。かといって、まだ科学の力が追いついていないというだけで、長い歴史の中で培われた効果を否定することはできません。

健康促進なら、機能性表示食品の選択肢も

一般的な医薬品と漢方薬の違いを中心に説明しましたが、健康促進の面で見るなら漢方薬に近い存在は、むしろ健康食品かもしれません。機能性表示食品として届けられている製品は、成分の種類や量が明確に記載されているだけでなく、多くの人に試してもらった臨床試験をクリアしなければ、届出が受理されることはありません。大人の美容やダイエットには、機能性表示食品の選択肢も多く、漢方薬よりもお勧めしやすい製品群になります。

健康食品と近い理由として、1つの物質や食品(生薬)で解決するのではなく、複数の天然物を駆使して効果を出そうとする点にあるように思います。1つの物質で解決しようとすると、作用(効果)だけでなく副作用も出やすくなってしまいます。複数の物質で様々な方向から症状にアプローチすることで、副作用なく効果を出そうとする工夫が漢方薬にはあります。 最終的には、自身の体質との相性などもあります。
医薬品や漢方薬だけでなく、健康食品も駆使して試行錯誤しつつ、自身の健康を見つめていくことをお勧めします。

ユーザーライフサイエンス

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大貫宏一郎

大貫宏一郎

1974年、福岡県生まれ。
京都大学農学部に入学して博士号まで取得。
その後、大塚製薬の研究員、京都大学医学研究科の助教、九州大学の准教授や客員教授、近畿大学の教授を経て独立。
約20年前に創業した大学発ベンチャー企業を継続し、現在は株式会社ユーザーライフサイエンスの取締役会長に就任。
学生時代から現在に至るまで一貫して食と健康に関する研究を続けており、研究歴は約30年。
研究論文は共著含めて150編以上、企業コラム連載、Webサイトは200ページ以上を執筆。最近は紅麹問題のコメンテーターなどテレビ出演多数。自称、日本一の食品機能学(食と健康に関する学問)研究者。

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