生活保護受給者が要介護状態になったときに家族や親族が気になること

生活保護受給者が要介護状態になると、本人だけでなく家族や親族にもさまざまな不安や疑問が生じます。介護のために同居した場合の生活保護の扱いや、認知症を発症した際の金銭管理の問題は、判断を誤ると生活全体に影響を及ぼしかねません。
家族や親族が関わる場面で気になりやすい生活保護制度の考え方や利用できる支援制度を解説します。
介護のために家族や親族が同居する場合の生活保護支給の判断
生活保護制度は、原則として世帯を単位に、収入や資産、生活状況を総合的に判断したうえで保護の可否や支給額が決定されます。そのため、家族や親族が同居する場合は同一世帯として扱われ、原則的には世帯全体の収入や扶養の可否を踏まえて生活保護の要否が判断されます。
しかし、介護を目的として一時的または必要性に基づいて同居するケースは、必ずしも家族全員が一律に同一世帯として扱われるとは限りません。介護のために同居を検討している場合は、自己判断せず福祉事務所へ相談しましょう。
参照:
『「生活保護制度」に関するQ&A』(厚生労働省)
『生活保護受給者に対する金銭管理支援の現状と課題に関する一考察』(武蔵野大学)
生活保護受給者が認知症になったときの金銭管理
生活保護受給者が認知症を発症すると、判断能力や記憶力の低下により、支出管理や各種手続きが困難になり、生活の安定が損なわれるおそれがあります。
そこで利用を検討すべき制度が日常生活自立支援事業です。判断能力が十分でない方が地域で生活を続けられるよう、社会福祉協議会と契約を結び、福祉サービス利用の手続きや日常的な金銭管理、定期的な見守り支援などを受けることができます。生活保護受給世帯の場合、利用料は無料です。
参照:『日常生活自立支援事業』(厚生労働省)
まとめ

生活保護を受給していても、要介護状態になれば介護保険制度に基づく介護サービスを利用できます。介護サービスの内容や基準は介護保険制度に準じますが、自己負担分や保険料は生活保護制度の介護扶助や生活扶助によって公費で補完されます。
一方、食費や居住費、日用品費など、生活に付随する費用は自己負担が生じる場合があるため、事前に確認が必要です。
また、介護が必要になった際の手続きは、福祉事務所への相談を起点に、要介護認定やケアプラン作成へと段階的に進めていきます。家族の同居や認知症による金銭管理の問題など、個別の事情によって判断が分かれるケースもあるため、自己判断せず、早めに福祉事務所や関係機関へ相談しましょう。
参考文献
『生活保護制度』(厚生労働省)
『生活保護制度における介護扶助について』(京都市)
『よくある質問』(小田原市)
『日常生活自立支援事業』(厚生労働省)
『介護保険料に係る生活保護受給者の取扱いについて』(厚生労働省)
『要介護認定はどのように行われるか』(厚生労働省)

