皆さんは、周囲との調和を大切にするあまり、自分の本音を後回しにしてしまうことはありませんか。「無難」や「空気を読む」ことが癖になると、気づかないうちに自分自身を縛ってしまうこともありますよね。今回は、筆者の友人S美が、同級生ママの一言をきっかけに価値観を大きく揺さぶられたエピソードをご紹介します。
波風立てない無難を選んできた私
S美は30代で二児の母。真面目で責任感が強く、目立つことが苦手な性格です。「世間ではこうだから」や「浮きたくない」と考えてしまうことが多く、服装も発言も常に無難。本当は違う意見があっても、波風を立てない選択を優先してきました。
そんなS美が、つい目で追ってしまう人物がいます。同じ小学校に子どもを通わせる同級生ママのR奈です。原色や大胆な柄の服をさらっと着こなし、発言は短く的確。正論であるが故どこか冷たく感じてしまい、S美は距離を取っていました。
自分の意見を押し殺してしまう私があの人に救われた
ある日、保護者役員を決める話し合いで、静かなS美が標的になり、役員を断りきれない空気に包まれます。「S美さんならできそう」「真面目だから安心」と言われ、押し切られそうになったその時。「S美さんはやりたいの? 無理やり引き受ける感じなら、もう少し話し合いしようよ」と突然R奈が口を開きました。その一言で場の流れが止まり、断りたかったS美はとても救われた気持ちになりました。
帰り道に「もっと自分の意見を言ってもいいんじゃない? あなた、真面目すぎるから」とR奈はS美に言い、さらに続けて、「親が遠慮してると、子どもまで遠慮がちになっちゃうかもよ。これあげる」
そう言って、カレー味のクッキーを手渡してくれました。贈り物まで一癖あるR奈の発言は、あまりに唐突で、けれど今のS美にとって妙に心に刺さる言葉でした。

