犬の皮膚は人よりもずっと繊細

私たち人間は、乾燥が気になると化粧水や乳液を使って肌を保湿します。それでは、犬の場合も人間と同じように「保湿」が必要なのでしょうか?
まず知ってほしいのは、犬の皮膚は人間よりずっと薄く、刺激に弱いということです。実は、人の皮膚対して、犬の皮膚はわずか2~3分の1の厚さしかありません。そのため外部環境の影響を受けやすく、乾燥や炎症を起こしやすいのです。
さらに、犬の皮膚はpH(酸性・アルカリ性のバランス)が人間とは異なります。そのため、人用のスキンケア製品を使うとバリア機能を壊してしまう恐れがあります。この点を理解していないと、「保湿のつもりが逆効果」になることもあるのです。
犬の乾燥のサインは、フケの増加、毛のパサつき、かゆがる仕草、被毛のツヤの低下などとして現れます。こうした症状があっても「冬だから仕方ない」と見過ごされがちですが、実は体の中や環境に原因が潜んでいることもあるのです。
犬に本当に保湿が必要なのはどんなとき?

実は、すべての犬に一律で保湿ケアが必要というわけではありません。健康な犬であれば、自分の皮脂腺から分泌される油分が自然に皮膚を守ってくれます。しかし、以下のようなケースでは、獣医師の指導のもとで保湿ケアを取り入れることが推奨されます。
まず代表的なのが「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患がある犬です。これらの犬は皮膚バリアが弱く、水分を保持する力が低いために、乾燥やかゆみを悪化させやすい状態にあります。保湿剤を使用することで炎症の悪化・再発を防ぎ、時には薬の使用量を減らせることもあるのです。
次に「シャンプーの頻度が多い犬」。月に何度もシャンプーすると、皮膚に必要な油分まで洗い流してしまい、乾燥が進みます。しかしながら、生活環境や諸事情から頻繁なシャンプーが必要になる子もいらっしゃると思います。この場合は、低刺激の犬用シャンプーに加え、入浴後には保湿剤を塗布するのが効果的です。
ただし、保湿は「万能な予防策」ではありません。食事の栄養バランス、アレルギー、寄生虫、ホルモン異常など、乾燥の背景には多様な原因が隠れている可能性があるため、まずは動物病院で根本的な原因を確認することが大切です。

