ご家族が要介護4の認定を受け、これからの生活費や介護費用に不安を抱く方もいるでしょう。要介護4は日常生活の多くで介助が欠かせない状態で、サービスの利用が増える分、金銭的な負担も大きくなりがちです。“もらえるお金”があるのか、具体的にいくら戻るのかなど、疑問を感じるかもしれません。
この記事では、要介護4の方が利用可能なサービスや、介護保険で使える金額の上限を解説します。あわせて、家計の負担を抑える軽減制度や手続きの方法も解説します。
経済的な見通しを立て、心にゆとりを持って介護に向き合えるよう、ぜひ参考にしてください。
※この記事は2026年1月10日時点の制度に基づいています。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
要介護4でもらえるお金|基本は現物給付

要介護4の認定を受けても、国や自治体から現金が直接振り込まれるわけではありません。日本の公的介護保険制度は、現金ではなくサービス(現物)を受け取る仕組みです。しかし、毎月約31万円分のサービスを、一部の自己負担で利用できる権利が得られます。
現物給付が原則となっている主な理由は以下のとおりです。
専門家による適切なケアを高齢の方へ届けるため
介護の専門性や質を確保するため
家族のみに介護負担が集中するのを防ぐため
利用者は訪問介護などのサービスを所得に応じた1割〜3割の自己負担で利用できます。
一方で、特定の条件を満たせば例外的に現金が支給される、特別障害者手当などの福祉制度もあります。
要介護4|介護保険で使える金額の上限

介護保険で受けられるサービスには、保険が適用される月ごとの上限額が設定されています。ここでは、限度額の仕組みや、要介護4の方が実際に利用できる金額の目安を解説します。
介護保険制度の区分支給限度額の仕組み
介護保険では、高齢の方の状態に応じて、1ヶ月間に保険給付を受けられる総額の限度を定めています。この仕組みを区分支給限度額と呼びます。
区分支給限度額には以下の2種類あります。
自宅で生活する方のための居宅介護サービス等の限度額
特定の施設に入居する方のための外部サービス利用型特定施設の限度額
自宅で生活しながら訪問介護などを組み合わせる場合は前者が適用されます。限度額内であれば、所得に応じた自己負担でサービスを受けられます。一方で、限度額を超えてサービスを組み込む場合、超過した費用はすべて自費(10割負担)となります。要介護4のような重度の場合、必要不可欠なサービスだけで限度額ぎりぎりになるケースも珍しくないため、家計を守りながら適切なケアを受けるには、ケアマネジャーと限度額の範囲内でケアプランを立てる必要があります。
要介護4の方が使える金額の上限
要介護4の方に適用される、1ヶ月あたりの居宅介護サービスの区分支給限度額は、30,938単位です。要介護4は「常時介護を必要とする」状態であるため、限度額も高めに設定されています。在宅生活を維持するためには、早朝から深夜におよぶ頻繁な訪問介護や、医療的ケアを含む訪問看護、あるいは日中の長時間にわたる通所介護など、多岐にわたる支援が不可欠であると想定されているためです。
地域ごとの人件費や物価の差を反映するため、1単位あたりの単価は地域で異なります(例:東京23区では1単位=11.40円、地方部では10円など)。
1単位を10円とした場合の1ヶ月に使える金額の目安は以下のとおりです。
支給限度基準額:309,380円
1割負担の方の最大支払額:30,938円
3割負担の方の最大支払額:92,814円
参考:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)を基に計算
地域やサービスの種類により、市区町村ごとに多少の差が生じます。おおむね31万円分までのサービスを、自己負担額のみで利用できると考えておきましょう。

