要介護4の介護にかかるお金を軽減する制度と手続き

要介護4はサービスの利用頻度が高まり、家計の負担が重くなりがちです。しかし、国や自治体の制度を正しく活用すれば、支払ったお金の還付や税金の軽減を受けられる場合があります。ここでは、経済的な不安を軽減するために知っておくべき4つの軽減策を解説します。
高額介護サービス費制度
1ヶ月の介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた際、超過分が払い戻される仕組みです。家計の負担を一定額に抑えられるため、重度の介護を必要とする世帯を支える制度です。
高額介護サービス費制度の主な特徴は以下のとおりです。
世帯の所得状況に応じた上限額の設定
同じ世帯に複数のサービス利用者がいる場合の合算
申請による後日の還付
負担の上限額は所得区分で決まります。一般的な所得世帯(住民税課税世帯)であれば、1ヶ月の上限額は44,400円です。一度申請すれば、以降は自動的に超過分が指定口座へ振り込まれます。
特別障害者手当
精神や身体に著しく重い障害があるため、日常生活で常時特別な介護を必要とする方に支給される手当です。介護保険制度とは別の福祉制度で、在宅介護における貴重な現金給付です。
特別障害者手当に関する主な要件は以下のとおりです。
20歳以上の在宅生活者が対象
月額28,840円の支給
本人や配偶者、扶養義務者の所得制限
要介護4であれば認定基準を満たす可能性があり、年間で約35万円の受給は大きな助けとなります。ただし、施設に入所している場合や3ヶ月を超えて入院している場合は対象外です。申請には医師の診断書が必要なため、市区町村の福祉窓口へ早めに相談しましょう。
医療費控除
一年間に支払った医療費や介護費用が一定額を超えた際、確定申告を行うことで所得税や住民税が軽減されます。生計を同じくするご家族の分を合算して申告できるため、世帯で所得が高い人がまとめて手続きすると節税効果が大きくなります。
医療費控除の対象となる主な費用は以下のとおりです。
訪問看護(医療保険適用の場合)などの医療系サービス費用
医師が証明したおむつ代
特定の介護施設で支払ったサービス費や食費の2分の1相当
要介護4で欠かせないおむつ代も、医師が発行するおむつ使用証明書があれば控除の対象に含まれます。ドラッグストアで購入した際の領収書も有効です。2年目以降は、自治体が発行する確認書で代用できる場合もあります。還付を受けるため、領収書は保管しましょう。
そのほかの支援制度
介護保険や直接的な手当以外にも、世帯の状況に合わせて負担を抑えられる仕組みがあります。
活用を検討したい制度や工夫は以下のとおりです。
高額医療・高額介護合算療養費制度
障害者控除(自治体の認定による適用)
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
自治体独自の家族介護慰労金や紙おむつ給付
高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療費と介護費の年間合計が基準を超えた場合、超過分が戻ります。
障害者手帳がなくても、要介護認定を受けていれば所得税の障害者控除を受けられる場合があります。要介護4なら自治体の確認書により特別障害者として扱われ、40万円の控除が適用される場合もあります。さらに、施設利用時は負担限度額認定の申請で、食費や居住費の大幅な減額が見込めます。
また、自治体によっては、要介護4以上の方を自宅でお世話しているご家族に対し、家族介護慰労金を支給する制度を設けています。ただし、この慰労金は一年間介護保険サービスを利用しなかった場合などの条件が付く場合が多いため、お住まいの市区町村の窓口で詳細を確認しましょう。そのほか、紙おむつの現物支給や購入費の助成を行う自治体も多く、これらの活用で日々の消耗品費を抑えられます。
まとめ

要介護4の介護は、サービスを受ける現物給付が基本です。区分支給限度額の範囲で訪問介護やデイサービスをご本人の状態に合わせて組み合わせ、限度額内であれば所得に応じた1〜3割の負担で利用できます。超過分は全額自己負担となるため、ケアプランの調整が重要です。高額介護サービス費制度や特別障害者手当、医療費控除、障害者控除などを活用すれば、負担を軽減できます。適用要件や申請方法はケアマネジャーに確認し、漏れなく手続きしましょう。
介護とお金の問題は、ご本人の状態や世帯の状況で解決策が異なります。一人で悩まず地域包括支援センターなどへ相談し、適切な制度の活用で、経済的な不安を和らげ、心にゆとりを持って介護と向き合えるようになります。
参考文献
『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)
『地域包括ケアシステム』(厚生労働省)
『生活福祉資金貸付制度 』(厚生労働省)
『福祉の貸付制度』(全国社会福祉協議会)
『高額介護サービス費の負担限度額が見直されます』 (厚生労働省)
『介護サービス費の自己負担が高額になったとき』(朝霞市)
『特別児童扶養手当・特別障害者手当・障害児福祉手当について』(島根県)
『No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価』(国税庁)
『No.1160 障害者控除』(国税庁)
『2024(令和6)年度 生活保障に関する調査』(公益財団法人 生命保険文化センター)

