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「自分が盗んだことになる?」 タダでもらった自転車が盗難車だった…弁護士が教える正しい対処法

「自分が盗んだことになる?」 タダでもらった自転車が盗難車だった…弁護士が教える正しい対処法

「もう乗らない自転車があるから、よければもらってほしい」

飲食店で知り合い意気投合した男性からそんな言葉をかけられ、自転車を受け取ったという人から、弁護士ドットコムに相談が寄せられています。

相談者によると、男性が乗っていたとみられる自転車の写真や、購入時のレシートの写真などを見せられたため、特に疑問を持たなかったといいます。

ところが、しばらくしてその自転車が実は盗難車だったことが判明しました。

自転車の持ち主が警察に通報し、自転車に貼られていたマンション駐輪場のシールを手がかりに、相談者のもとへ警察から連絡が入りました。

男性とは連絡が取れず、相談者は「自分が盗んだことになるのでは」と不安を感じているといいます。

知らずに盗品を受け取った場合でも、罪に問われる可能性はあるのでしょうか。竹内省吾弁護士に聞きました。

●警察に聞かれたらどう説明すればいい?

──このケースで、相談者が何らかの罪に問われる可能性はありますか。

刑事罰に問われる可能性は低いでしょう。考えられる犯罪としては窃盗罪(刑法235条)や盗品等関与罪(刑法256条)がありますが、このケースでは窃盗行為に関与していません。

また、盗品等関与罪についても、盗品であると知らなかった以上、「故意」が認められず、刑事罰の対象にはならないと考えられます。つまり、この犯罪は「盗品であると知っていたこと」が成立要件となるからです。

──警察から連絡を受けた場合、相談者はどのように対応するのが適切でしょうか。任意聴取や事情説明の際に、注意すべき点はありますか。

犯罪には関与していないのであれば、自転車を譲り受けた経緯を丁寧に説明しましょう。

具体的には、譲渡人から購入時のレシートを見せられたことなど、客観的な証拠が残っていれば示すなどして、「譲り受けたものであること」「盗品であることを知らなかったこと」を明確に伝えてください。

●自転車をもらったら防犯登録の変更を

──こうしたトラブルに巻き込まれないためにできることはありますか。

今回のようなケースでは、自転車を譲り受けた際に防犯登録を自分名義に変更していれば、手続きの過程で盗品であることが明らかになり、トラブルを回避できた可能性が高いです。変更手続きは、自転車店やホームセンターなどの「自転車防犯登録所」でおこなえます。

意外と知られていませんが、自転車の防犯登録は法律上の義務です。罰則がないため軽視されがちですが、登録や名義変更を怠ると、今回のように盗品と知らずに譲り受けた場合でも、疑いを晴らすことが難しくなることがあります。

なお、今回は無償で譲り受けたケースですが、仮に有償で譲り受けた場合でも、盗難から2年間は元の持ち主に返還しなければなりません(民法193条)。

この場合、支払った代金は譲渡人に請求することになりますが、連絡が取れない場合、回収は困難になるでしょう。必要な手続きをきちんとおこなうことが、刑事の面でも民事の面でも自らの身を守ることにつながります。

【取材協力弁護士】
竹内 省吾(たけうち・しょうご)弁護士
弁護士法人エース代表弁護士。慶應大卒。銀座を本店に、全国に5拠点を構える。労働分野、一般民事、家事、相続、企業法務など幅広く扱う。著書に「少年事件ハンドブック(青林書院)」など。社労士法人エースクルー代表。士業コンサルを扱う株式会社HINANO代表取締役。趣味は車、バイク、コーヒー焙煎。
事務所名:弁護士法人エース
事務所URL:https://ace-law.or.jp/

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