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キャンバスの前に立つ「無罪請負人」弘中惇一郎弁護士、絵を描き続ける理由は「人は遊ぶために生まれてきた」

キャンバスの前に立つ「無罪請負人」弘中惇一郎弁護士、絵を描き続ける理由は「人は遊ぶために生まれてきた」

●「人は遊ぶために生まれてきた」原点は小学校

「絵を描くことが、仕事のストレス発散になっている面もありますか?」

そう尋ねると、弘中さんは数秒間考え込み、首を横に振った。

「その質問には、私が仕事を中心に生きているという前提がある。仕事は人生の一部にすぎません。絵も仕事も、プライベートも同じ。どっちが上とか下とかはない。分けて生きているわけではないんです」

生き方の根底にある考えをこう語る。

「『遊びをせんとや生まれけむ』という平安時代の歌があります。人間は遊ぶために生まれてきたんです」

その原点は、小学生時代を過ごした成城学園にある。

「授業もテストもない。通知表も宿題もない。自分で自由にしていい学校でした。だから、自分で時間の使い方を考えなくちゃいけなかった」

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そんな環境で育ったからか、「練習や努力、人から教わること、命令されることは、まったく性に合わない」と笑う。

弁護士の仕事も、「気に入った仕事を、自分のペースでやる」スタイルを貫いてきた。

小6の夏まで通った成城学園を離れた後も、高校や大学で所属した美術部には、似た空気があったという。

「練習もノルマもない。上下関係もなく、教えることも教えられることもない。極めてフリー。ただ、美術に触れて、語る時間だけはあってね。浮世離れした雰囲気がずっと続いていました」

●「予断や偏見を持たない」弁護士業につながる絵

数々の事件で国家権力と対峙してきた弘中さんは「仕事も絵も、誰かに評価されようと思ってやってるわけじゃないんです」と言う。

絵を描く時には、「細かいところを見たり、遠くから眺めたり、全体のバランスを確かめたりする」。その姿勢は「予断や偏見を持たず、自分の目で見て考える」という弁護士としてのスタンスとも重なっている。

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創作活動を、仕事や趣味といった枠に当てはめたことはないという。

他者の評価を意に介さない生き方と、白いキャンバスに思うまま筆を走らせる絵。そして「まずは自分の目で見る」という信条。それらが、静かに重なり合っているように感じられた。

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