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7日間装着の心電計で検出率3倍へ―オムロンが挑む心房細動の早期発見

7日間装着の心電計で検出率3倍へ―オムロンが挑む心房細動の早期発見

オムロンヘルスケア株式会社は2025年11月14日 に 都内 で開いた 記者発表会 で 、循環器事業の新たな戦略を発表しました。同社は2026年1月1日付で、JSR株式会社が展開する「ハートノート(長時間ホルター心電図解析サービス)事業」を承継。心電事業に関して、家庭から医療機関での診断、治療領域までの拡大を図り、「Going for Zero 脳心血管疾患の発症ゼロ」をビジョンに掲げ て 心疾患の早期発見と重症化予防に向けた取り組みを加速させています。本稿では、ハートノートの特徴と、オムロンヘルスケアが構築を目指すエコシステムが私たちの健康管理にどう生かされるかなどについて解説します。

岡田 歩(おかだ あゆむ)氏

岡田 歩(おかだ あゆむ)氏

オムロン ヘルスケア株式会社 代表取締役社長

野崎 大輔(のざき だいすけ)氏

野崎 大輔(のざき だいすけ)氏

オムロン ヘルスケア株式会社 ゼロイベント事業開発部 部長

小林 伸敏(こばやし のぶとし)氏

小林 伸敏(こばやし のぶとし)氏

JSR 株式会社 イノベーション推進部 部長 (※発表会当時)

Charit Bhograj 氏

Charit Bhograj 氏

TRICOG HEALTH INDIA PRIVATE LIMITED(トライコグ) CEO

日本の心疾患の現状

死因2位・医療費1位の循環器疾患

循環器疾患は日本の超高齢社会で深刻な課題となっています。日本 人の死因として循環器疾患はがん に次いで2位 (厚生労働省 2024年人口動態統計) ですが 、JSRイノベーション推進部部長の小林伸敏氏によると医療費の構成割合ではがんを上回り1位となっています。循環器疾患によるQOLの急激な低下と、医療費・介護費の高騰が大きな問題だと、小林氏は指摘します。

世界全体でみると、心疾患による年間死亡者数は約910万人に達し、これは東京23区の人口に匹敵する規模です。オムロンヘルスケアの岡田歩社長は、心疾患は自覚症状がないまま進行して突然発症するケースが少なくないと述べ、高齢化とともにリスクが高まる疾患であることを強調しました。

心房細動と脳梗塞の深刻な関係

循環器疾患の中でも特にQOL低下が著しいのが、心房細動によって引き起こされる脳梗塞です。心房細動とは心臓がけいれんを起こす不整脈の一種で、心房が細かく震えることで 血液が心房内に滞留して血栓ができやすくなります。さらに、この血栓が脳に飛ぶと脳梗塞を引き起こします。

オムロンヘルスケアゼロイベント事業開発部部長、 野崎大輔氏の説明によると 、65歳以上の高齢者が心房細動を発症すると、その後5年間で7人に1人が心不全、15人に1人が脳卒中 (脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称) を発症するという研究データが出ています。 野崎氏は、高血圧の人は血圧が基準値内の人に比べて心房細動の検出率が3倍だったというデータを紹介し、高齢の高血圧患者への心房細動スクリーニングの重要性を訴えました。

4割が無症候性という発見の難しさ

心房細動患者は日本国内で100万人を超えていますが、最大の課題は約4割が自覚症状のないまま心房細動を発症している点です。小林氏は、自覚症状なく脳梗塞になってしまう患者を見つけ出すことが現在取り組んでいる課題だと説明しました。

通常の健康診断で、心電図は30秒程度しか測定しません。しかし、そのような短時間で発作性の心房細動を検出することは困難です。60万人のデータ分析でも、健診時の心電図測定では有病者を十分に把握できていないことが示唆されています。

ハートノート事業の特徴

7日間装着可能なフレキシブルデバイス

従来のホルター心電計 (長時間連続で心電図を記録できる小型・携帯型の心電計)は24~48時間の装着が一般的で、コードが長く入浴もできないという制約がありました。ハートノートは 電極一体型・ 薄型軽量でフレキシブルな設計により、7日間の連続 測定 を可能にしました。小林氏によると、シャワーを浴びることもできるため、患者負担が大幅に軽減されるといいます。

7日間測定の意義について、小林氏は具体的な検出事例を紹介しました。ある患者の場合、 測定開始後 3日目の午前1時から2時の間だけ心房細動が検出されました。このケースでは健診でも検出されず、24時間ホルターでも検出できなかったため、1週間測定する意味がまさにここにあると同氏は説明しました。

検出率3倍を実現する長時間測定

7日間測定によって検出率は大きく向上 します 。小林氏によると、24時間測定での心房細動検出率が約30%であるのに対し、7日間測定では3倍の約90%まで上昇します。

小林氏は、長ければ長いほど良いが患者の負担を考えると1週間程度が適切であり、その観点から1週間のホルター心電計を開発したと開発の背景を説明しました。2020年8月のサービス開始以来、 検査実績は 累計15万件 となっています。

医師や技師の負担も軽減されます。医療機関側で解析作業を行う必要はなく、ハートノート側がレポートを提供します。患者も 測定終了後に医療機関を訪れる必要はなく、自分で取り外してポストに投函するだけで済みます。

配信元: Medical DOC

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