住宅改修の限度額と自己負担金額

介護保険の住宅改修費は、原則1人あたり20万円までが支給限度額となり、そのうち自己負担は所得に応じて1〜3割(2万〜6万円)、残りの7〜9割が介護保険から給付されます。
支給限度基準額は原則20万円
要支援・要介護の区分に関わらず、原則として1人あたり20万円と定められています。20万円の範囲内であれば、手すり設置や段差解消など複数の工事を数回に分けて行うことができ、工事費用のうち自己負担割合(1〜3割)を超える部分が介護保険から給付されます。
参照:
『居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)とは』(健康長寿ネット)
『介護保険における住宅改修』(厚生労働省)
住宅改修の自己負担額
住宅改修の自己負担額は、原則として工事費用の1〜3割となり、具体的な割合は利用者の所得に応じて決まります。
例えば、支給限度基準額いっぱいの20万円の住宅改修を行った場合、1割負担の方は2万円、2割負担の方は4万円、3割負担の方は6万円が自己負担となり、残りの18万円・16万円・14万円が介護保険から給付されます。また、20万円の支給限度を超えた工事費用は、超過分が全額自己負担になる点にも注意が必要です。
上限額がリセットされるケース
介護保険の住宅改修費は、本来、一人あたり原則20万円までの枠が一生に1回だけ与えられますが、一定の条件を満たした場合には上限額がリセットされ、再び20万円まで利用できる仕組みがあります。
代表的なのが要介護度が3段階以上に上がった場合(3段階リセット)で、初回の住宅改修時の要支援・要介護区分から3段階以上重くなったときに、限度額が再設定されます。もう一つは転居した場合(転居リセット)で、前の住所地で住宅改修費を使い切っていても、転居先の住宅は新たに20万円を上限とした支給を受けることができます。なお、3段階リセットは原則1人1回までですが、転居リセットは制度上複数回利用可能とされています。
参照:『介護保険における住宅改修』(厚生労働省)
介護保険で住宅改修を行う手続きの流れ

要介護・要支援認定を受けたうえで、ケアマネジャーや市区町村窓口に相談し、理由書や見積もり書などの書類を準備して事前申請し、承認後に工事を実施し、完了後に領収書等を提出して住宅改修費の支給を受ける流れです。
ケアマネジャーや市区町村に相談する
介護保険で住宅改修を利用するときは、まず担当のケアマネジャーやお住まいの市区町村の介護保険窓口への相談が大切です。ケアマネジャーは、本人の心身の状態や生活動線を踏まえて、本当に必要な改修内容を一緒に検討してくれます。
また、市区町村窓口では、介護保険の支給対象になる工事の範囲や、自己負担割合、必要書類、申請期限などの詳細を確認できます。自己判断で工事を始めてしまうと、介護保険の給付対象外となるおそれがあるため、見積もりや工事内容の検討段階から早めに相談しておくことが重要です。
参照:『介護保険における住宅改修』(厚生労働省)
ケアマネジャーなどが理由書を作成する
介護保険で住宅改修を利用する際には、住宅改修が必要な理由書をケアマネジャーなどの専門職に作成してもらうことが一般的です。理由書には、利用者の要介護度や心身の状態、現在の住環境で困っている具体的な場面(玄関の段差でつまずく、浴室で立ち座りが不安定など)、そして提案する改修内容がどのように転倒予防や自立支援につながるのかを記載します。
この理由書は、市区町村がその工事が介護保険の住宅改修として妥当かどうかを判断するための重要な資料となるため、ケアマネジャーは必要に応じて福祉用具専門相談員やリハビリ専門職とも連携しながら、利用者の生活実態に即した内容を丁寧にまとめることが求められます。
書類を準備して事前申請を行う
介護保険で住宅改修を利用する際には、工事前に市区町村へ事前申請を行う必要があります。申請時には、申請書に加えて、ケアマネジャーが作成した理由書、工事見積もり書、改修前の住宅の平面図や写真、施工業者の情報などをそろえて提出します。
工事を実施して完了後に書類を提出する
介護保険を利用した住宅改修では、事前申請が承認された後に工事を実施し、完了後に必要書類を市区町村へ提出します。
提出する主な書類は、工事費用の領収書、工事内容がわかる内訳書(明細書)、改修後の住宅の平面図や写真、承認内容との相違がないことを確認できる書類などです。これらをもとに審査が行われ、適正と認められれば住宅改修費が支給されます。
費用が支給される
介護保険での住宅改修費は、工事完了後に必要書類の審査が行われ、給付が認められると費用の一部が支給されます。支給方法には、いったん全額を支払い後から自己負担分を除いた額の払い戻しを受ける償還払いと、自己負担分のみを支払う方式(受領委任方式)を採用している自治体があります。いずれの場合も、支給されるのは支給限度基準額20万円のうちの7〜9割で、残りの1〜3割が自己負担です。

