ハンター症候群の治療
ハンター症候群の治療では、酵素補充療法や骨髄移植などが考慮されます。
酵素補充療法は2007年から承認された新しい治療法で、ハンター症候群で不足または欠如する酵素を人工的に補充する治療法です。なるべく早期に開始することで、歩行障害や心肺機能の低下などに一定の効果が期待できるほか、関節可動域の改善や中耳炎の発症頻度の減少にも効果が期待できます。しかし、精神発達遅延など神経的な症状を改善することは期待できないと言われています。
一方、骨髄移植では、赤血球や白血球などの血液細胞の元となる「造血幹細胞」の移植がおこなわれます。ハンター症候群に対する造血幹細胞移植では、治療後に通院回数を減らすことができるほか、精神発達遅延にも効果が期待できることがわかっています。
ただし、造血幹細胞移植は、ドナーが見つからない場合には治療を開始することができないため、治療を希望してもすぐに受けられるわけではありません。また、移植に伴い副作用や合併症のリスクが生じることにも注意が必要です。
酵素補充療法や造血幹細胞移植のほか、発症者の症状や合併症に応じて発達療法や呼吸療法、合併症に対する外科的治療がおこなわれることもあります。
ハンター症候群になりやすい人・予防の方法
ハンター症候群は両親のどちらかに特定の遺伝子異常がある場合に、産まれてくる子ども(特に男児)に発症する可能性があります。
遺伝子異常があることがわかっており、次世代への影響について知りたいという場合には、遺伝カウンセリングで相談するのも一つの方法です。
関連する病気
肝脾腫
心不全弁膜症参考文献
一般社団法人日本血液製剤協会「血友病と遺伝」
国立研究開発法人国立生育医療研究センター内小児慢性特定疾病情報センター「76.ムコ多糖症Ⅱ型」
GeneReviews日本語版「GRJムコ多糖症Ⅱ型」

