
飯島直子が主演するドラマ「こないだおばさんって言われたよ」が、FODにて2月24日(火)深夜0:45より配信(以降、毎週[火]夜8:00に最新話を配信)。本作は、54歳独身でドーナツ屋のオーナーとして働く芽衣子を主人公に、推しに裏切られ、恋人と別れ、親から老後を託される。そんな50代ならではの“あるある”に翻弄されながらも「これが私」と胸を張って生きる姿を描く、笑って泣ける大人のコメディードラマだ。
「共感するところが本当に多かった」と語る飯島。芽衣子という人物をどのように演じたのか。また、年齢を重ねても自分らしく生きるために大切にしていることとは? 本作への思いから50代後半を迎えた今の率直な心境まで、たっぷりと話を聞いた。
■元カレとの再会も「こういうことあるな」と

――まずは、台本を読んでの感想からお聞かせください。
飯島直子(以下、飯島): とにかく面白かったです。台本を読んで爆笑したのは初めての経験でした。ただ、面白すぎて自分に演じられるかなという不安もありました。芽衣子は、わりと普通の50代の女性。周りのキャラクターがすごく濃いので、自然体で演じていけば、それが逆に面白くなっていくのかなと。監督ともお話しして、その普通さを出せるよう意識して演じていきました。
――芽衣子の高校からの親友・頼子には堀内敬子さん、年下の友人でしっかり者のカオルは中田クルミさん。芽衣子の元カレでマルチクリエイターの憲伸はMummy-Dさんが演じられています。現場の雰囲気はいかがでしたか。
飯島:みんなでワイワイと楽しかったですね。本当にいい人たちばかりで。クルミちゃんが「飯島さん、これいいですよ」とおすすめのビタミン剤をいろいろ持ってきてくれたこともありました。仲良く和気あいあいと過ごさせていただきました。
――若く見える服を無理して着たり、老眼鏡を買いに行ったり。元カレとの再会、更年期にお金の不安など“50代おばさんあるある”が次々と登場する本作。共感できるエピソードはありましたか。
飯島:いろいろありました。去年買った服が似合わなくなるとか。本当にびっくりしちゃいますよね。買ったばかりなのに何でだろうって(笑)。脚本の岸本(鮎佳)さんは57歳の私よりずっと若いんですけど、年齢を重ねた女性を描くのがうまいなと思いました。元カレとヨリを戻しそうになる葛藤とか。…私は全くないですよ(笑)。でも、こういうことあるよな、と思うことが本当にたくさん出てくる。
あと、すてきなセリフも多いんです。元カレと再会して「お互い独身だからもう1回付き合っちゃう?」と言われたときに、芽衣子が「別に男女として付き合わなくても、この先ずっと関係は続けられるじゃん」みたいなことを言うんですけど、その言葉選びがいいなと。皆さんにもいろいろ共感いただけるんじゃないかなと思っています。
■自分一番で生きていくことが幸せになる秘訣

――年齢のお話が出ましたけど、飯島さんが年を重ねるなかで感じる、いい意味での変化ってどんなものでしょうか。
飯島:振り返ってみれば、一つも無駄な経験はなかったと思いますけど、やっぱり20代、30代のときは見栄も張るし、ガチガチに鎧を着こんでいたようなところがありましたね。40代後半から50代にかけて、1枚ずつ鎧を脱いでいっているというか。こんなもの必要なかったなという感じで、今はわりと楽ちんに生きているように思います。57歳なんて、まだまだ中途半端な年齢なんですよ。最近、60代オーバーの先輩方から「直子ちゃんも早く60歳になった方がいいよ。もっと楽になるよ」と言われることが多くて。「これ以上、楽になれるの!?」と思ったりもするんですけど(笑)。
――恋愛面ではいかがでしょうか。
飯島:今ちょっと恋愛は長いお休み中だからなぁ(笑)。でも、若いときと同じような心持ちで接するかと言ったら違うのかなと。相手に求めることも、相手が私に求めることもきっと違うと思うし。そのときになってみないと分からないけど、今まであまりお会いしたことのないような人とお付き合いするのかもしれないなとも思います。
――タイトルになっている「こないだおばさんって言われたよ」は、ドラマ内で芽衣子がかけられた言葉でもありますが、同じような経験はありますか。
飯島:よく言われますよ! この間、それで行きつけのバーテンダーと大喧嘩しました(笑)。でも、“おばさん”って言葉があまりよくないのかなと思うんです。これ、すごくいい呼び方があるんですよ。“レディー先輩”って言うんですけど。“おばさん”じゃなくて“レディー先輩“(笑)。やっぱり“おばさん”もそうですけど、“老ける”とか。言葉にマイナスなイメージがありすぎるなと。年を重ねていけることは素晴らしいことなのに。「若けりゃいい」なんてナンセンスですよね(笑)? その風潮を変えていきたいですよね。
年を取れば、気力も体力も落ちてくるのが当たり前なんですから。「もうおばさんなんだから」って自虐するんじゃなくて、それを受け止めつつ自分らしく、自分を優先して生きる。それが一番大事なことなんじゃないかなとも思うんですよね。誰かのためだけに生きていたら死ぬとき後悔しちゃうんじゃないかな。もちろん好きなことばかりして生きていけばいい、というわけではないんですけど。口角を上げて感謝の気持ちを持ちながら、“自分一番”で生きていくことが幸せになる秘訣なのかなとも思います。
――その考えは、飯島さん演じる芽衣子が、“50代あるある”に揺れながらも「これが私」と前を向いて生きていく姿ともリンクしますね。
飯島:そうですね。芽衣子と一緒に笑ったり、泣いたりしてすっきりしてもらえたらいいなと思っています。「年を取るって面白いな」と感じてもらえたらうれしいです。

