現代アート界のレジェンド、ジェフ・クーンズ氏の展覧会がエスパス ルイ・ヴィトン大阪で始まりました。
「PAINTINGS AND BANALITY ーSELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」は、ジェフ・クーンズ氏の各時代を代表するような彫刻や絵画作品を7点展示。
大衆文化や日用品を高度な技術や素材で再現した作風で知られるジェフ・クーンズ。
例えば今回展示されていたのは、アメリカの有名な漫画ガーフィールドに出てくる犬などを精巧な陶器で再現した作品。ヨーロッパの宗教彫刻などを手掛ける格調高い工房を探して作ってもらったそうです。
大衆的な漫画にハマった自分を肯定できるようになる作品。
ポジティブなメッセージを発しています。
ヨーロッパの絵画に出てくる水浴図を現代の彫刻に置き換えた作品も印象的でした。顔の部分を切り取られている女性は、アイデンティティを剥奪された存在であることを表しています。
こちらも素材は陶器のようです。
セラミックの落ち着いた波動が、不穏なイメージを和らげてくれます。
大きな絵画作品は、一見写真に見えて実は絵の具でリアルに描かれています。さすが超絶技巧だと思ったら、スタッフが大勢いて少しずつ分業で描いているそうです。
美術界に雇用を生み出すジェフ・クーンズ氏。オープニングにはなんとご本人もいらっしゃっていて、すごいいい感じの方で人格者であることが伝わってきました。
しかもこれだけの方なのにオープニングですぐ帰ったりせず長時間いらして、人々と社交していました。超有名な海外アーティストなのに威圧感も気難しさもありません。
しばらくして私にもご挨拶できるチャンスが巡ってきました。すでに会話したという人が、握手したら手がふわふわだったと感動していて、私もその柔らかさを体感させていただきました。弾力があって膨らんでいるのは手相としてもいい感じです。
今や大衆的なモチーフに癒しを感じる、などと拙い感想を申し上げたら、ジェフ・クーンズ氏は笑顔でこうおっしゃいました。
「人生をおもしろくするため作品を作っています」
70代になっても第一線で活躍されているのは、こういうシンプルでポジティブなモチベーションがあるからなんですね。そんな人生の格言を教えてくださって感動しました。
このところ辛いことがいろいろあって、人生をおもしろくするどころではありませんでした。生きる気力をわけてもらえたようです。
作品にも元気づけられたとジェフ・クーンズ氏に申したら「それが一番聞きたい感想です」とおっしゃってくださいました。その人間性に触れて、もし画力があったら描画スタッフとして雇われたいくらいでした。
ジェフ・クーンズ氏と。
どこの馬の骨ともしれない私とも笑顔で話してくださって、
まなざしに慈愛を感じます。
展示は2026年2月20日(金)~7月5日(日)
会場はエスパス ルイ・ヴィトン大阪

