すました表情でこちらを見つめる若い女性の絵画。彼女はいったい何をしているのでしょうか?

実はこれ、貴族の女性が「おまる」で用を足している場面なんです。水洗トイレの無かった19世紀以前のヨーロッパでは、貴族のような高貴な人々も「おまる」を使っていました。ときには人前ですることも…。
いろいろな意味で一度見たら忘れられない絵画が表紙を飾るのは、ヤスダコーシキさん著『カラー版 名画でわかるヨーロッパの24時間』です。平凡社より2026年1月に発売となりました。
ポイント①明日話したくなるウンチク満載

本書の内容は、SNS「昔の芸術をつぶやくよ」アカウントを運営する著者が、名画を通してヨーロッパの暮らしを紹介する、というもの。朝・昼・夜の3章50テーマの構成で、「明日誰かに話したくなるウンチク」が詰まっています。

たとえば、エビ天のような形で姿勢を固定された赤ちゃんの絵画。これは「スワドリング」と言って、直訳すると「おくるみ」となります。が、そんな優しいものではなく、ガチガチに固めて身動きを取れないようにしてしまうものでした。
現代人からは「やめて!!」と叫び声が上がりそうですが、17世紀頃までのヨーロッパでは一般的な育児法でした。赤ちゃんをガチガチに固めることで、手足がまっすぐ育つと信じられていたのだとか…。

本書ではこのようなトンデモ育児法を筆頭に、
・アフタヌーンティーの発祥
・つけぼくろのおしゃれ以外の目的
・毒入り染料の大流行
・カイジも驚きそうなギャンブル人気
・不倫が文化だった時代のリアル
など、真面目だったり下世話だったり、気になるトピックを約50も紹介。もちろん表紙の絵画にある「貴族のおまる」も含まれます。
表紙のチョイスからもわかるように、本書はお勉強系のかしこまった本ではありません。「なんじゃそりゃ!?」とツッコミを入れながら楽しんでいるうちに、ヨーロッパの文化や絵画にも詳しくなれるお得な一冊です。
ポイント②初心者にうれしい読みやすさ

1つの項目につき4ページ程度と、文章が短くまとまっているのも本書のポイント。そのぶんトピックが豊富で、約50個ものウンチクが紹介されています。
難しい用語は無いですし、文章をコンパクトにした分、絵画が大きく刷られています。新書サイズですが充分な見応えで、ちょっとしたスキマ時間にぴったり。通勤・通学や休憩時間、それこそトイレで読むのにも向いているかもしれません。
