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下着盗んだ大学生「見られたかも」と出頭、これは自首になる?“2枚か3枚か”で量刑に差は?

下着盗んだ大学生「見られたかも」と出頭、これは自首になる?“2枚か3枚か”で量刑に差は?

●一部否認すると罪は重くなるの?

仮に裁判で「3枚」盗んだと認定された場合、一部を否認したことは不利に働くのでしょうか。

否認した事実が裁判で認められなかった場合、実務上「反省もせずに不合理な弁解に終始している」などとして不利に評価されることはあり得ます。

とはいえ、今回のケースでは、結果的に容疑者の主張が認められずに、被害が「3枚」と認定されたような場合でも、事実上は量刑に大きな差はないと考えられます。

というのも、今回の事件では、容疑者は窃盗そのものは認めて自ら出頭しているわけですし、その中で被疑事実である「3枚」の窃盗のうち、2枚については認め、1枚についてのみ争っているわけです。

仮に被告人の主張が認められなかった場合でも、裁判所がこの1枚について争ったことを重く評価するとは考えにくいです。

そもそも刑事手続きは、刑罰という不利益を受ける被告人に、十分な主張や立証の機会を与えることが前提とされています。今回のような事例で、被害品の1枚について争ったことをもって「反省がない」などと重く評価するのは、刑事手続きの適正という観点から大いに問題があると考えます。

なお、自ら警察に出頭しながら、「1枚」についてのみ争っているということからすると、容疑者の主張が真実である可能性は十分あると思われますから、弁護人もこの点についてきちんと事情を確認しているものと思われます。

●19歳の「特定少年」、今後どのような処分が想定される?

今回の容疑者は19歳と報じられています。

少年法では20歳未満は「少年」とされ、少年法の対象となります(少年法2条)。18歳以上20歳未満の少年は「特定少年」と呼ばれ、成人に近い扱いをしつつも、原則として少年法の手続きが適用されます。

通常は、逮捕・勾留の後、事件は家庭裁判所に「送致」され、家庭裁判所で審判を受ける流れとなります。家庭裁判所は、調査の結果、保護処分(保護観察、少年院送致など)に付するか、刑事処分が相当と判断すれば検察官に送致するかなどを決定します(少年法20条、62条など)。

また、家庭裁判所の審判前に本人が20歳になった場合には、事件は検察官に送致され、成人の刑事事件として扱われます(少年法19条2項、23条3項)。

したがって、19歳で逮捕された場合、手続きの進行状況によっては、成人として刑事裁判を受ける可能性があります。

(参考文献)植村立郎編集『刑事事実認定重要判決50選〔第3版〕上巻』(立花書房,2020)

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

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