制度の複雑化と「救済」のジレンマ
高額療養費制度の改正が難航している背景には、「細かく設定すればするほど、取りこぼしなく救える可能性があるけれど、同時に制度が複雑化しすぎる」とバランスが難しいと思って仕事をしていると話す神野さん。
さらに当初の時期、患者団体など当事者との対話が少なかったことも課題としてあげてくださいました。
意外に浅い「国民皆保険」の歴史
日本の社会保障には長い歴史があるように感じますが、現在の形が整ったのは比較的最近のことです。
■1927年: 労働者向けの医療保険が開始
■1938年: 農家向けの医療保険が開始
■1961年: 段階的な動きを経て、ようやく「国民皆保険」が実現
神野氏は、「日本の保険はカバー範囲こそ広いが、歴史はまだ浅い」と指摘します。この制度を当たり前のものとして享受している私たちですが、それは先人たちが築き上げた、まだ「若い」システムであることを忘れてはいけません。

