毎日ドリル 脳トレクイズに挑戦
「誰のための制度か」を問い直す――高額療養費制度の改正と、揺れる日本の社会保障 がんサバイバーが財務省の方と語る

「誰のための制度か」を問い直す――高額療養費制度の改正と、揺れる日本の社会保障 がんサバイバーが財務省の方と語る

38兆円の予算をどう分配するか


現在、社会保障の財源は所得税などの税金と保険料で賄われていますが、それだけでは到底足りていません。


社会保障予算(約38兆円)の内訳はざっくりいうと・・・
年金 約3割
医療 約3割
介護 約1割
福祉・その他 残りという配分。


国民健康保険については国は法律で医療費の32%を負担する義務があります。高齢者が増え続ける現状では、こうした「義務的経費」の増加をとめて、削減することは容易ではありません。財務省の役割は、この増加をいかに「緩やかにするか」という苦渋の決断の連続だといいます。

効率化と尊厳のあいだで


制度を守るためには、「医療の使い方」そのものを見直す必要もあります。その一つが、神野さんが担当時に導入した「リフィル処方箋」です。症状が安定している患者が、診察なしでも薬を受け取れるこの仕組みは、医師の貴重な時間を守ることにも繋がります。


議論のなかでは、非常に厳しい現実も突きつけられました。


医療法人の男性の声: 「削減されても仕方ない医療はあるが、そこで生計を立てている人もいる。そこを避けては議論が進まない」


女性の声: 「治療の意思がある高齢者と、意思表示ができない高齢者を同列に保険適用していくのは、もう限界なのではないか」


「無駄を見直せ」という言葉は、時として誰かの尊厳を傷つけます。だからこそ、神野さんは「大きな哲学の共有」が必要だと言います。

損得勘定を超えた「大きなビジョン」を

社会保険は、みんなで出し合って、みんなで支える仕組みです。「払った分だけ得をしたい」という損得勘定では、この制度は維持できません。今後始まる「国民会議」では、単なる数字の調整ではなく、「私たちはどのような社会で、どのように生を全うしたいのか」という、国家としての大きな哲学が問われることにな
ります。一人ひとりが明細書を眺め、自分が受けている恩恵を知ること。そして、限られたリソースをどこに集中させるべきか、痛みを伴う議論から逃げずに参加すること。それが、私たちが誇る日本の医療制度を、次世代へ繋ぐ唯一の道なのかもしれません。

CancerX World Cancer Week2026  (アーカイブ終了)

https://cancerx.jp/summit/wcw2026/

配信元: SODANE