高血糖高浸透圧症候群の治療
高血糖高浸透圧症候群の治療は、主に点滴による水分と電解質の補給やインスリンの投与をおこないます。
まず、脱水状態を改善するために生理食塩水を点滴で補います。
あわせて脱水によって失われた電解質を補充するために、電解質輸液(ナトリウムやカリウムなどの電解質を含んだ点滴)を点滴します。
次に、血糖値を下げるためにインスリンを少量ずつ慎重に投与されます。
血糖値の急激な低下は脳浮腫(のうふしゅ)という危険な状態を引き起こすことがあるため、血糖値や電解質の変化をこまめにモニタリングしながら、慎重に治療がおこなわれます。
さらに、高血糖高浸透圧症候群の原因疾患の治療も並行しておこなわれます。
意識がもうろうとしたり、反応が鈍かったりする場合は、すぐに入院して治療する必要があります。
高血糖高浸透圧症候群になりやすい人・予防の方法
高血糖高浸透圧症候群は、2型糖尿病を持つ高齢者に多く発症するといわれています。
なかでも、認知症のある方や一人暮らしをしている高齢者は、体調の変化に気づきにくく重症化するリスクが高くなるため注意が必要です。
予防には、日頃から血糖値を安定させることが不可欠です。
主治医の指示に従って薬を正しく服用し、定期的に血糖値を測るようにしましょう。
また、高齢者はのどの乾きを感じにくくなる傾向があります。
そのため、気づかないうちに脱水が進んでしまうこともあります。
のどが乾いていなくても、意識的にこまめに水分をとるよう心がけましょう。
特に気温の高い夏場や暖房を使用する冬場は、水分が失われやすいため、より注意が必要です。
感染症や糖尿病以外の疾患を合併した場合には、血糖コントロールが乱れて高血糖高浸透圧症候群を引き起こす可能性が高まります。
体調がすぐれないときは、脱水を防ぐためにこまめに水分補給を意識し、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。
高血糖高浸透圧症候群は、命に関わる重篤な状態へ進行するリスクがあるため、早期発見・早期治療が極めて重要です。
患者が日頃から血糖値をしっかり管理することはもちろん、家族や周囲の人が患者の体調の変化に気づいてあげることも予防につながります。
関連する病気
2型糖尿病
糖尿病性ケトアシドーシス
脳浮腫
参考文献
一般社団法人日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2024
一般社団法人日本糖尿病学会 糖尿病合併症について

