投入の作法
ライト深海に限ったことではないが、深場釣り最大の勘所は毎投入確実に仕掛けを投入することにある。
仕掛けさえ海の中に入っていれば、釣果を得られる確率はグッと上がる。
その第一関門が投入。
多くの深場釣りでは、船長の合図とともに順番に仕掛けを投入していく。
これは、深い水深でも仕掛けが絡まることなく全員の仕掛けを海底へ届けるため。
なので、船長の合図を無視してあとから投入したりするのはご法度。
投入に遅れた場合は1回休みになるのがルール。
こう聞くと慣れない人はブルってしまいがちだが、準備さえ整えておけば心配することはない。
船により違いはあるが、伊三郎丸の場合はミヨシから順番に投入していく。
最初の人が投入すると、船長は船を後ろへずらし、次に投入する人の仕掛けと絡まらないようにする。
よって、仕掛けはタックルよりミヨシ側に配置したほうが投入時のトラブルを減らせる。
船ではマグネット板を貸してくれるので、キーパーのミヨシ側に挟み込み、ハリを並べておく。
釣り場までは航程20分ほどと近いので、出船前に準備しておいてもいいし、風の強い日などは釣り場に到着してからでもいい。
投入前に「そろそろ始めます。準備しておいてください」などとアナウンスがあるのでハリにエサを付け、釣り座周りを確認。
仕掛けの下にバケツを置かない、海水循環ホースがハリスに絡んでいないかをチェックしておく。
投入は両舷同時でミヨシから1番、2番となる。
舷ごとに人数が違う場合もあるが、自分がいる舷が何人かを確認、自分が何番目になるのかを把握しておく。
投入順が近づいたらオモリを持って仕掛けのミヨシ側に立つ。
そして合図があったら軽くオモリを放り投げる。
このとき無理に遠投する必要はない。
勢いよく投げすぎても投入時のショックでエサが外れてしまうことがある。
仕掛けが船体に引っ掛かることなく飛び出たのを確認したらリールのクラッチを切る。
先にリールのクラッチを切っておいてもいいが、ミスったときにバックラッシュなどのトラブルが起こる可能性が高まる。

仕掛けを絡ませずに回収することが釣果につながる
深場釣りの釣り方自体は決して難しいものではない。
むしろ釣りとしては簡単な部類に入る。
最初は着底を確認すること。
投入中に船長が水深と、場合によっては深くなるか浅くなるか、海底形状の変化を告げてくれる。
これをよく覚えておく。
通常ならオモリが底に着くとそれまでリールから出ていた道糸がフッと止まる。
潮が速く着底があやふやな場合は先に投入した人が糸フケを取り始めたかどうかも目安になるので周りの様子もよく見ておこう。
いずれにしろ着底を確認できたら余分な糸フケを巻き取り仕掛けをしっかり立たせる。
そこから船長が指示するタナ、おおよそ海底から1.5~2mオモリを浮かせてアタリを待つ。
そして1~2分置きに底ダチを取り直す。
水深が浅くなっていく場合は1~2分待たない間にトンッとオモリが底を打つ感触が竿先に出るので、その場合はすぐにタナを取り直す。
反対に水深が深くなっていく場合は1~2分も待つと5~10mも深くなっていることがある。
そんなときは少し早めに底ダチを取り直す。
この繰り返しの中で、アタリがあれば比較的明確に竿先に変化が出る。
怪しいと思ったらしっかり竿を立てて合わせを入れておくとハリ掛かりがより確実となる。
追い食いを狙う場合は基本的にそのままの位置で待てばいい。
水深の変化に応じた追い食いのさせ方もあるが、慣れないうちはアタリがあったら早めに巻き上げたほうが賢明だ。
つい慎重になりがちな巻き上げだが、あまりにゆっくり過ぎると返ってバラシにつながる。
中速以上の速めで大丈夫だ。
大切なのは仕掛けが巻き上がってからの取り込み。
魚が付いていようがいまいが、着実に枝スのヨリを取りながら回収していくこと。
そのまま船内にたぐり込んでしまうと仕掛けが絡み解くのが大変。
場合によっては次の投入に間に合わなくなる。
深場釣り最大のコツは毎投入確実に仕掛けを入れること。
これを心がけておけば、自ずと釣果はのびていく。



