●有罪になっても再び弁護士登録できる場合とは?
拘禁刑(執行猶予付きの場合を含む)の有罪判決を受け、弁護士資格を失った後、一定の条件を満たすと、再び弁護士として登録できることがあります。
刑法27条は「刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う」と定めています。
つまり、執行猶予期間を無事に過ごせば、刑の言い渡しがなかったのと同じ扱いになります。これにより、弁護士法7条1号の欠格事由は消え、法律上は再び弁護士として登録できることになります。
●必ず再登録できるとは限らない
しかし、実際に弁護士登録ができるかは別の問題です。
再登録にあたっては、弁護士会が登録をしてよいかどうかを審査し、「弁護士会の秩序若しくは信用を害するおそれがある者」の登録を拒絶できます(弁護士法12条)。
調査できる事例が少ないため断定的なことはいえませんが、再登録にあたっては、少なくとも以下のような要素が考慮されているようです。
・被害が大きかったり、社会的影響の大きい犯罪により資格を失った場合、再登録は拒否されやすい
・弁護士としての職務に関する犯罪(非弁提携なども含む)の場合、再登録は拒否されやすい
・攻撃的な言動を繰り返しているなど、「人格」「反省」といった要素で問題があると判断されると、再登録は拒否されやすい。逆に、有罪となった犯罪について全額の被害弁償を行ったなどの事情から再登録が認められることがある。
具体的な例として、非弁提携で懲役刑(拘禁刑)1年6カ月・執行猶予3年の判決を受けた人物の再登録請求が棄却された例(日弁連の議決例(平成19年(2007年)3月26日議決))では、「弁護士としての自覚の希薄さが改善されたと認めることはできない」とされています。
ただし、この人物には有罪判決前に3回の懲戒処分歴がありました。非弁提携で業務停止4カ月、業務懈怠(けたい)で業務停止6カ月、恐喝で業務停止1年6カ月です。
今回起訴された弁護士に他の懲戒歴がなければ、この事例ほど厳しい評価にはならないかもしれません。
別の例では、弁護士法違反等で有罪判決を受けた人物について、「執行猶予期間を終えて間もなく弁護士の登録を許すことは、特段の事情のない限り弁護士会の信用を害するおそれがある」と示したものがあります(日弁連議決例、昭和40年(1965年)3月22日議決)。
ただ、この例でも、有罪判決を受けたのと同一の行為について退会命令の懲戒処分も受けていたため、再登録が認められにくい事案だったといえそうです。

