摂食障害の治療
摂食障害の治療は、身体とこころの二つの側面からアプローチが必要です。治療は多職種のチームによって行われ、医師や看護師、栄養士、心理士などが連携して患者さんの回復をサポートします。
摂食障害の患者は、自分が摂食障害であることを認識できていない場合があるため、摂食障害という疾患について説明し、理解してもらう必要があります。まずは患者との信頼関係を構築していき、その後に治療について説明するよう段階を踏んで行きます。今までの認識を一から修正するのは難しいため、いかに動機づけをして治療に向き合ってもらえるかがポイントです。
心理療法では、認知行動療法(CBT)がよく用いられる治療法です。認知行動療法は、摂食行動に関する誤った考え方や信念を修正し、健康な思考パターンを形成することを目的としています。また、対人関係療法(IPT)なども効果的な治療法として注目されています。
身体的な治療としては、まず栄養状態の改善が必要です。摂食障害によって栄養不良や電解質異常が生じている場合、適切な食事指導や栄養補助を実施していきます。食事療法は、個々の患者さんの状況に合わせて計画され、段階的に健康な食事習慣を取り戻すことが目標です。
精神状態に応じて薬物療法の使用も検討していきます。抗うつ薬や抗不安薬は、摂食障害に伴う抑うつや不安の症状を軽減するために用いるのですがあくまで補助的な位置づけであり、心理療法と併用して行われるのが一般的です。
摂食障害になりやすい人・予防の方法
摂食障害になりやすい人には、いくつかの共通した特徴があります。例えば、完璧主義や低い自己評価、過度のストレスを感じているなどは摂食障害のリスクが高いです。また、友達や家族から体型や体重に関して悪く言われた経験が、発症の要因になる場合もあります。
摂食障害を予防するには
摂食障害を予防するには「早期の教育とサポート」「ストレスの管理」「定期的な健康診断」の3つの方法があります。
早期の教育とサポート
早期の教育とサポートの目的として、特に若年層が健康な食習慣や体型に対する正しい認識を持ってもらうことが大切です。そのため、学校や家庭で適切な教育を行い、サポートすることが摂食障害の予防に役立ちます。
ストレスの管理
ストレスの適切な管理方法を学ぶことが予防に効果的です。摂食障害では、不安を感じやすく肯定的な感情が弱いため学校や家庭内など対人関係でストレスがたまります。そのためストレスやプレッシャーに対処する方法を学ぶことで、摂食障害のリスク低減が可能です。そのサポートとして心理カウンセリングや支援グループも、予防と早期発見において重要な役割を果たします。
定期的な健康診断
医療機関や学校での定期的な健康診断は早期発見と予防に効果的です。摂食障害の過食による嘔吐は周囲に気づかれないように行うことが多く、症状を発見しづらいです。特にリスクの高い個人やグループに対しては、定期的なスクリーニングやカウンセリングを行うことで、摂食障害の発症を未然に防ぐことができます。
関連する病気
神経性食思不振症
参考文献
摂食障害|こころの情報サイト
摂食障害:神経性やせ症(AN)と神経性過食症(BN)
摂食障害の合併症状
摂食障害|みんなの医療ガイド
摂食障害者の症状について
食行動症または摂食症群神経性やせ症‐摂食障害情報ポータルサイト
摂食障害と心理社会的因子
摂食障害に関する学校と医療のより良い連携のための対応指針

