同展は、2025年9月13日から11月30日(日)までの期間に開催。質・量ともに世界一として知られる浦上コレクションの『北斎漫画』全15編をはじめ、多彩な読本(よみほん)の挿絵、『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(通称：大波)、自らを“画狂人”と称した晩年の傑作『富嶽百景』全3編・102図、さらには初公開となる幻の肉筆画16図など、総数400点以上の北斎作品が展示される。
本展公式アンバサダーに就任し、音声ガイド特別版のナビゲーターも担当した高橋さんは、展覧会の開催に先駆けて行われた取材会に登場し、見どころをコメント。「先ほど自分も1回ぐるっと回らせていただいたんですけど、とてつもないです、この展覧会は！もう本当に、すごく大きなスケールで“北斎の絵を浴びる”という感覚でした」と大興奮。
続けて、“読本ブーム”を作った、曲亭馬琴との合作『椿説弓張月』(ちんせつゆみはりづき)を巨大化した絵を見ながら、「100倍に引き伸ばしているんでしたっけ。まるで漫画の森に迷い込んで来たよう。現物と100倍に引き伸ばしたもの、両方を一瞬にして楽しめる展示になっていて、大きいほうでは絵の細かいところまで本当によく見える。(来場者にも)このスケール感で衝撃を受けていただいて、絵の持つエネルギーを感じていただきたいです。そして絵の熱量と技量を、両方のサイズで感じ取っていただけたらと思う」と、最初の展示空間について熱弁した。
また、絵を描くための手引書『略画早指南』(りゃくがはやおしえ)が気に入ったそうで、「北斎って感覚で絵を描くだけじゃなくて、わりと計算をして描いていた人なのかなって思っていまして。丸、四角、三角で描いた猿やバッタの絵を見て、自分はビックリしました。技術力もあって、発想力もあって。(描き方を)自分だったら人に教えたくないけど、北斎は絵を愛してやまないから、たくさんの人に教えていたっていうことで、器の広さも感じる。本当に楽しいおじいちゃんだなと。本当に絵が好きなおじいちゃんなんだな、ということに気づきました！」と、笑顔を見せていた。
■【見どころ その1】「HOKUSAI－ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」で圧倒的迫力を体感しよう！
世界で最も有名な北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(通称：大波)、この世の森羅万象を描いた絵手本『北斎漫画』全15編、北斎絵本の傑作『富嶽百景』全3編102図に加え、曲亭馬琴らとタッグを組み読本ブームを巻き起こした『椿説号張月』、『新編水滸画伝』、そして『釈迦御一代記図会』の挿絵など、浦上コレクションより選りすぐりの作品400点以上を一挙公開！
■【見どころ その2】北斎の画をアニメーション化！
「北斎が現代に生きていたらアニメも制作していたのでは」と思わせる、今にも動き出しそうな北斎画の人物たち。そんな人物を、日本屈指のアニメーターがアニメーション化し、同会場ならではの必見スペシャルコンテンツ“特設ミニシアター”で公開。作品は、『踊独稽古』(おどりひとりげいこ)、『北斎漫画』より「雀踊り」(すずめおどり)、「武芸(棒術)」(ぶげい(ぼうじゅつ))、「無礼講」(ぶれいこう)の4本となっている。
■【見どころ その3】現代マンガやアニメ的表現の原点をさまざまな“しわざ”で紹介！
驚くべき画力と発想力、ダイナミックな構図と超絶技巧の描写、ユーモアと遊び心にあふれ、見えないものさえも描き尽くした北斎。集中線・効果線、爆発や閃光、波や風などの自然現象、時間の経過、妖怪や幽霊、略画と一筆画、ギャグ描写、アニメ風原画など、さまざまな切り口で、現代マンガやアニメのルーツともいえる北斎の魅力を紹介！
■【見どころ その4】新発見！知られざる北斎最晩年の肉筆画を初公開！
北斎の筆が冴える、斬新で魅力的な肉筆画が初公開。北斎の最晩年80代前半に「毎日、新たに魔物を蹴散らす」ことを願い、日課として、獅子や獅子舞などを描き続けたのが、200図以上残される『日新除魔図』(にっしんじょまず)。今回、これまで知られることがなかった16図が新たに発見され、浦上コレクションに加わった。※会期中、『日新除廃図」のみ一部展示替えを行う
現代のマンガやアニメの表現の原点ともいえる作品に着目した新しい展示演出で、200年前の“北斎のしわざ”を体感できる「HOKUSAI－ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」。限定オリジナルグッズや、テーマカフェ「北斎食堂」も登場しているので、CREATIVE MUSEUM TOKYOでぜひ丸ごと楽しんでみては？
取材・文＝平井あゆみ
撮影＝島本絵梨佳
※掲載の作品はすべて葛飾北斎、浦上蒼穹堂蔵
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