「日本画アヴァンギャルド」とは何か?

「アヴァンギャルド(前衛)」という言葉は、もともと軍隊の「先遣部隊」を意味するフランス語です。芸術の世界では、既成の価値観を否定し、時代を先取りする革新的な運動を指します。
戦後、1940年代後半から1970年にかけて、京都の若き日本画家たちは大きな壁に直面していました。「日本画とは何か?」「伝統的な技法だけで、激動の現代を表現できるのか?」という問いです。彼らは日本画特有の「膠(にかわ)」や「岩絵具」を使いながらも、それまでの花鳥風月とは一線を画す、抽象的で力強く、時にはグロテスクなまでの表現へと踏み出しました。
本展では、この戦後京都で巻き起こった熱き創造運動を「日本画アヴァンギャルド」と総称し、その変遷を鮮やかに描き出しています。
時代を切り拓いた3つの美術団体
本展の核となるのは、当時の京都で火花を散らした3つの美術団体です。
創造美術(1948年〜)
「世界性に立脚する日本絵画の創造」を掲げ、戦後の日本画に新しい風を吹き込みました。
パンリアル美術協会(1949年〜)
「パン(汎)」+「リアル(現実)」を名に冠し、徹底した写実を超えた先の現実を追求。日本画を現代美術の域へと押し上げた急進的なグループです。
ケラ美術協会(1964年〜)
さらに時代が進み、従来の画材の枠さえも超え、より自由でアヴァンギャルドな表現を模索した若手たちの集まりです。
会場では、これらの団体に所属した画家たちが、どのように悩み、どのように伝統に反旗を翻したのか。そのドラマを作品を通して追体験することができます。
