「アルコール性認知症」の7つの主な症状はご存じですか? 原因も医師が解説!

「アルコール性認知症」の7つの主な症状はご存じですか? 原因も医師が解説!

適量の飲酒は会話も弾み、ストレスの解消が期待できますが、習慣的に過剰な飲酒を続けると生活習慣病やさまざまな臓器障害の原因となることがあります。また、過剰な飲酒は脳にも影響を及ぼすことが知られており、アルコール性認知症を引き起こすこともあります。お酒を飲み過ぎるとなぜ認知症になるのでしょうか。どのような症状がみられるのでしょうか。アルコール性認知症について解説します。​​

小原 知之

記事監修医師:
小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学 准教授)

アルコール性認知症とは​

アルコール性認知症は、アルコールの大量摂取が原因と考えられる認知症のことです(1)。多量の飲酒は心身にさまざまな障害を引き起こすことが知られていますが、それらが原因となって認知機能の低下などの認知症症状をきたすことがあります。

アルコール性認知症は高齢者に多くみられます。60歳以上のアルコール依存症の人を対象とした調査では、男性の43.6%、女性の44.5%が軽度認知障害(MCI)以上の認知機能障害が認められたと報告されています(2)。高齢者ほどではありませんが、若い世代でも起こります。若いアルコール依存症の人に、飲酒によるものと考えられる前頭葉機能の障害が認められることはめずらしくありません(1)。

アルコール性認知症の原因​

アルコールが関連する認知症の原因は脳血管障害などいくつかありますが、最も多いとされているのがウェルニッケ脳症とその後遺症としてのコルサコフ症候群です(3)。また、飲酒との因果関係は不明ですが、高齢のアルコール依存症ではアルツハイマー病やレビー小体病、前頭側頭型認知症などの認知症疾患の合併がみられることがあります。断酒などの治療をしても認知機能の障害に改善がみられない場合、原因はアルコールの過剰摂取ではなく、別の認知症疾患を合併している可能性が疑われます。

配信元: Medical DOC

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