実は2種類ある!非常口ピクトグラム
避難口誘導灯と通路誘導灯(筆者撮影)
非常口のピクトグラムは2種類あるのですが、気づいていた方は…多くはないと思います。
その2種類とは、背景が緑の「避難口誘導灯」と、背景が白の「通路誘導灯」です。デザインをアレンジしたバージョンが2つあるのではなく、それぞれ意味が異なるんです。
避難口誘導灯(筆者撮影)
背景が緑の「避難口誘導灯」は、非常口そのものに掲げられます。たとえば、屋外に通じる出口や避難階段の出入口などにあります。
通路誘導灯(筆者撮影)
一方、背景が白の「通路誘導灯」は、非常口までの経路を示しています。曲がり角など迷いやすい箇所などに設置され、矢印にしたがって進むと、非常口にたどり着けます。
つまり、「通路誘導灯」の矢印が示す方向に進んでいくと、「避難口誘導灯」のある非常口に到達できる、ということ。万が一に備えて、職場のオフィスや自宅のマンションなどで、避難経路と非常口の位置を確認しておくと良さそうです。
もしかしたら、非常口だと思っていた場所にあるのは通路誘導灯で、実際の非常口までは意外と距離があった…なんてことがあるかもしれません。
世界中に広がった非常口のピクトグラム
通路誘導灯(筆者撮影)
日本で生まれた非常口のピクトグラムは、今では世界中のあらゆる施設で見られます。これは、ピクトグラムが国際規格ISOに採用されているからです。
ですが、国際規格となるまでにはドラマがありまして…。1980年代、先に国際規格として非常口のピクトグラムを提出していたのはソ連でした。ソ連の案で決まりかけていたところ、遅れて日本が案を提出。ソ連からは抗議されますが、デザインが優れていたこともあって、日本の案も議論されることとなりました。
ソ連が提出した案, Public domain, via Wikimedia Commons.
こうして、自国の案を採用してほしい両国が中心となって熱い議論が交わされることに。
「そっちの案はここがわかりにくいよ!」(意訳)
「なんだと!? そっちこそ、ここがわかりにくいじゃないか!」(意訳)
のように議論は平行線へ…。決め手となったのは、視認テストによる検証でした。見やすさで日本案に軍配が上がり、ソ連が案を取り下げ。そして一部を修正したうえで、日本案が国際基準となりました。
非常口のピクトグラム(ISO 7010), Public domain, via Wikimedia Commons.
このような経緯があり、非常口のピクトグラムは世界中で見られるものになりました。日本で生まれた「非常口の緑の人」は、世界を股にかけて人々を救っているのですね。
※場所によっては違う標識を使っていることもあります。国際規格を採用していなかったり、古い標識がそのまま使われていたりするケースもあるので、海外では現地の情報をご確認ください。
