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ボスママに逆らえない…野球チーム保護者会でLINE外しと怒鳴り声、これってパワハラ?

ボスママに逆らえない…野球チーム保護者会でLINE外しと怒鳴り声、これってパワハラ?

●パワハラにならなくても「違法行為」にあたるか

ただし、私たち法律家の視点から重要なのは、「パワーハラスメント」に該当するかどうかというラベルだけではなく、その言動が法的に「違法行為」と評価できるかという点です。

違法行為には、民事上の不法行為や、刑罰規定に該当する行為などがあります。

民事上の不法行為との関係では、いわゆる「嫌がらせ」や「意地悪」が、人格権侵害にあたるかどうかという点が問題になります。その際、社会一般から見て「権利侵害」といえる程度に達しているかは一つの論点となるでしょう。

刑事責任の可能性としては、たとえば、名誉毀損罪、侮辱罪、暴行罪などが考えられます。ただ、刑罰規定の要件は厳格なので、慎重な検討が必要です。

不用意に「◯◯さんは××罪に当たることをした!!」と不特定または多数人に伝えた場合、かえって名誉毀損罪に問われてしまう可能性もあるので、気を付けなければなりません。

このように、問題の本質は「パワーハラスメントに該当するか」だけではなく、法的に「違法行為と評価できるか」にあります。

●競技団体の代表者に対策に乗り出してもらう方法も

──保護者会やボランティア団体で、このような嫌がらせ行為を受けた場合、どのように対応すればよいでしょうか。

スポーツ指導者によるパワハラであれば、法的な対応に加えて、その指導者が競技団体の資格を有していれば、競技団体に「指導者資格」に対する処分を求めることを検討します。

しかし、指導に関与していない保護者は、通常そのような資格を有していないことがほとんどでしょう。

そのため、保護者への対応は、基本的には法的観点からアプローチすることになります。

ただし、いきなり法的手段をとれば、チーム内がギクシャクし、その影響が我が子の競技活動に及ぶのではないかという懸念もあると思います。

この問題の解決にあたっては、私自身も「これが良い」という対応策を明確に打ち出すことが難しいと感じています。

それでも、一つ検討しても良い方法としては、代表者など競技団体の管理者や運営者に相談し、「競技団体として」の対応を検討してもらう方法があるかもしれません。

ただし、この場合も、憶測ではなく、十分な証拠に基づいて事実関係を整理することが重要です。また、不特定または多数人への発信は避けるべきといえます。

【取材協力弁護士】
山本 健太(やまもと・けんた)弁護士
第二東京弁護士会所属。スポーツ法務、SNS等での誹謗中傷・炎上問題への対応の他、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)等複数の競技団体、(プロ)チーム等でハラスメント研修の講師を担当。書籍・「スポーツにおけるハラスメントの弁護士実務」(第一法規)の編著を担当。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/

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