知っておくと安心! ワイヤー矯正治療中の自己管理
編集部
装置の破損や脱離を防ぐために、普段の生活でどのような点に注意したらよいですか?
昌山先生
これは治療の前半と後半で異なります。治療前半は歯並びのガタつきが強いうえ、使用するワイヤーも細くてたわみやすいため、お餅やガムなどの粘着性のあるものは装置の脱離や変形の原因になります。同様に、せんべいやナッツ類といった硬いものも破損の原因になるため、前半は避けたほうがよいでしょう。一方で、治療後半になると硬くて太いワイヤーに変わりますので、食事が原因で変形することはまずありません。その頃になると患者さん自身も「これは危ないな」と感覚をつかんでいるため、後半に関してはあまり神経質にならなくてもよいでしょう。
編集部
ワイヤー矯正はむし歯になりやすいと聞きますが、治療中の口腔ケアのポイントを教えてください。
昌山先生
むし歯を防ぐためには、ご自宅でのケアと歯科医院でのケアの両方が必須です。多くの歯科医院では治療を開始する際にブラッシング指導をおこない、患者さんごとに磨きにくい部分をアドバイスします。ご自宅ではそのアドバイスをもとに、歯ブラシのほかにタフトブラシやデンタルフロスも併用し、毎日丁寧に磨くことを心がけてください。また、来院時にワイヤーを交換する際は、歯科衛生士による専門的なクリーニングを実施しています。このようなセルフケアとプロフェッショナルケアの両立が大切です。
編集部
そのほかに、ワイヤー矯正を成功に導くうえで、患者さん自身が注意したい・心がけたいことはありますか?
昌山先生
治療期間が長いため、途中で気持ちが緩みやすくなる点には注意が必要です。セルフケアもそうですが、中盤から終盤にかけては顎間ゴムをきちんと使用することも、治療を成功に導くカギになります。顎間ゴムは歯の動きをスムーズにするほか、噛み合わせを整えるうえで非常に重要です。歯科医師の指示通りに使用しないと、歯の動きが悪くなって結果に影響することもあるため、意識して使い続けましょう。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
昌山先生
近年はマウスピース型矯正装置も普及しているなか、ワイヤー矯正を選ばれたのにはそれなりの理由があると思います。ワイヤー矯正は歴史が古く、計画通りに歯を動かせる「予測実現性」が非常に高いのが大きなメリットです。治療中は大変なこともありますが、歯科医師の指示に従ってやるべきことを続けていれば、必ずよい結果につながります。理想のゴールを目指して、ぜひ最後まで頑張ってください。
編集部まとめ
ワイヤー矯正は、痛みや生活への影響が不安になりがちですが、実際はその多くが一時的で、工夫や慣れによって乗り越えられることがわかりました。治療を順調に進めるためには、「予約日を守ること」「装置のトラブル時は早めに相談すること」「セルフケアを丁寧におこなうこと」が大切です。長い治療期間のなかで大変に感じる場面もありますが、その積み重ねが最終的な仕上がりにつながります。不安や疑問を抱えたままにせず、気になることはその都度歯科医院に相談しましょう。

