死を自分事として
面白い作品であることは間違いない。死者と遺族の物語であり、「死者が奇跡的に一命をとりとめる」という展開は存在しない。ある意味絶望的な内容ではあるが、しっかりとお別れをすることを希望として描いているのだから、すさまじい作品である。光を見いだせる内容ではあるものの、伝えておくべきことを伝えられなかったことへの後悔を、死者も遺族も抱えている。その様子には、こちらも悔しさを覚える。
今生きていること、大切な人が生きていることは偶然でしかない。「死」という、誰にでも平等に訪れるが、意識的に目を向けることの少ない現象を“自分事”としても考えたくなる内容だ。時間があるときに観てみてはどうだろうか。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki

