直筆水彩画 1960年代
少女画の原点から、晩年の個展作品まで——高橋真琴の軌跡
「なかよし」直筆水彩画 1963年
1960年代初頭の少女画の源流ともいえる貴重な作品群から、2000年以降に画家として本格的に制作された個展用作品まで、本展は時代を横断しながら真琴氏の歩みをたどる構成となっています。
なかでも注目したいのは、雑誌や絵本のために描かれた直筆水彩画の数々。
商業イラストレーションとして親しまれてきたイメージの“原点”にあたる原画を通して、線のやわらかさ、色彩の透明感、そして少女たちのまなざしに宿る繊細な感情を、間近で体感できます。
「可愛い」が内包する、やさしい思想
「小学館幼稚園80 9月号もりのアリサ⑥」直筆水彩画 1980年
真琴氏の描く“可愛い”は、単なる装飾的な美しさにとどまりません。
それは、すべての命が等しく尊いという思想を、視覚的に伝えるための表現でもありました。
少女のそばに寄り添う小動物、花や木々と調和する風景。
そこにあるのは、競争や対立ではなく、共に生きる世界への希求。
作品一つひとつから、静かに、しかし確かに“平和への願い”が立ち上がります。
