私は消費者『しんごの芽』/テレビお久しぶり#193

私は消費者『しんごの芽』/テレビお久しぶり#193

「テレビお久しぶり」
「テレビお久しぶり」 / (C)犬のかがやき

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『しんごの芽』(読売テレビ)をチョイス。

■私は消費者『しんごの芽』

さまざまなテレビ企画のタネを、大スターである香取慎吾が検証し可能性を探る番組、『しんごの芽』。ゲストは月毎に変わっていくシステムで、2月の「マンスリーMC」は小峠英二。あまり共通点のないように思える二人の化学反応にも注目である。

私の鑑賞した2/21放送回のテーマは、『もどかしい映像7連発』。ショート動画全盛の昨今、新ジャンルとして、“もどかしい映像”を番組が提案する。まったくドーパミンは分泌されないものの、思わず最後まで見入ってしまうようなシチュエーションの数々を、ふたりで茶々を入れながら楽しむ、非常にほのぼのとした回であった。

これもまた、独特の空気感をまとった番組である。香取慎吾の人柄、温度感による日常感。小峠も声を張ることなく、喫茶店くらいの声量で終始雑談をしている。ところで、タイトルに絵文字が含まれている番組を初めて見たよ。ショート動画を意識した内容もそうだし、やっぱり令和はスマホの時代なのだろう。スマホなぞ皆せーので捨てたほうがよろしいと思うが、スマホの悪口は話し始めると止まらないので割愛させていただく。

さて、こういった“もどかしい”ショート動画って、実際いくつかある。キャベツに包丁を入れよう、入れようとするのを1分見せて終わる動画とか、テトリスで一列の深い溝にまったく棒を入れてくれない動画とか。視聴維持率を底上げするのは勿論、イラつかせてコメントを書き込ませてやろう、という狙いもあるのだろう。エックスでもそうだ。ブルーバッジをつけ、あえて極端な主張をし、論争を起こさせてインプレッションを稼ぐ。はっきり悪しきシステムである。平和なコンテンツがバズるならいざ知らず、一体どれだけのヘイトが蔓延しただろう。私も、そういったブルーバッジの扇動に踊らされてばかり。アルゴリズムに敗北して思い知る。インターネットの消費文化において、自分は「消費者」であるのだと……

もう、脳をスマホにすっかり握られている。まったく意味が分からないのだが、この原稿を書いている途中にも、ふと席を立って、スマホを持ち、ショート動画を見た。そしていま戻ってきた。この往復に、一体どんな意味が?いや、意味などある筈もない。登山家が山を登るのと同じように、私はショート動画を見るのである。最近のお気に入りは、リンゴをジャグリングしながら食べるapple_biting_juggler。絶対笑うので見てほしい。でもスワイプしちゃダメだぞ。見て、笑って、スマホを置きなさい。私はどう頑張ってもやめられないから、せめてあなたは気を強く持って、この世からスワイプの総数を減らしていこうじゃないか!

■文/城戸

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